コメモ。

日記。メモ。備忘録。

レンズ沼宣言

お前にレンズを勧める前に言っておきたい事がある
かなりきびしい話もするが 俺の本音を聴いておけ

Lを先に買ってはいけない
Nを先に買ってもいけない
キットズームはうまく使え いつもきれいに撮れ
出来る範囲で かまわないから

忘れてくれるな 1.4も買えない奴に
レンズを語る 資格などないってことを
1.2や0.95にしか 撮れない写真もあるから
それ以外は貯金もせず だまって★を買ってこい

お前のツァイスと俺のライカと どちらも高価だ大切にしろ
単焦点 MF かしこくこなせ
たやすいはずだ 愛すればいい

マウントの陰口言うな聞くな
それからつまらぬシットはするな

俺はマウント追加はしない たぶんしないと思う
しないんじゃないかな
ま、ちょっとは覚悟しておけ

防湿庫(しあわせ)は二人で 育てるもので
どちらかが苦労して
つくろうものではないはず

お前はレンズ沼へ 金を捨てて来るのだから
帰る場所はないと思え
これから沼がお前の家

レンズが古びて写りが落ちたら
それを理由に売ってはいけない

売ってもわずかな額にしかならぬ
それを理由に捨ててもいけない

何もいらない財布を握り
ショップの価格ふたつ以上くらべろ
お前のお陰で 安く買えたと
あとで言うから 必ず言うから

忘れてくれるな 俺の愛するレンズは
愛するレンズは 買ったものすべて

忘れてくれるな 俺の愛するレンズは
愛するレンズは 手に入れたものすべて

「LUMIX DMC-TX1」VS「STYLUS 1s」 - 取材用ベストコンデジを探す旅

取材では対象やカバンの大きさに応じて複数のカメラを使い分けています。

中でも最小のカメラとして愛用しているのがオリンパス「STYLUS 1」で、以前にレビューした通り、かなり気に入っています。

cafewriter.hatenablog.com
※実際持っているのは前モデルのSTYLUS 1ですが、性能はSTYLUS 1sとほぼ同じです。

取材用としてはかなり完璧に近いコンデジですが、不満がないわけではなくて、あとちょっとがんばってほしいところもあります。

  • 広角が24mmになってほしい
  • もう少しだけコンパクトだと嬉しい
  • USB充電できると嬉しい
  • 動画の性能が上がると嬉しい

要望としてはこんな感じ。まぁなくても十分なんですけどね。

で、後継機の噂もなく、このままSTYLUS 1sは消滅するのかなぁと思っていたら、パナソニックから出ましたよ!

これ。LUMIX DMC-TX1です。

1型センサーと25-250mmのレンズを搭載しながら薄型のコンパクトボディを実現していて、STYLUS 1sよりもコンパクトボディ。しかもUSB充電も可能。動画も申し分なし。

なんと、STYLUS 1sに感じていた不満をほぼ解消してきたのです!

しかし、気になるところもあります。

まずレンズのF値が2.8-5.9と暗いこと。STYLUS 1sは通し2.8なので、暗所の望遠側ではかなりの差が出ます。

TX1は1/1.7型のSTYLUS 1sよりもセンサーサイズが大きいので、これを高感度性能でカバーすることになるわけですが、2段分もの差を果たして解消できるのかどうか。何しろ、STYLUS 1sがISO1600のとき、TX1はISO6400ですからね……。何となくですが、1型センサーと1/1.7型センサーの高感度性能差は1段くらいかなと思っているので、そうなると暗所望遠でTX1は不利ということになります。

それから最大の差は価格。

発売したてのTX1は8万円くらいしますが、STYLUS 1sは価格がこなれまくっていて、4万円くらいです。なんと半額! 僕は買い替えなのであまり関係ないですが、これからどちらかを買う人には大きな違いですよね。

ただ、それ以外はさすがにTX1の方が上なので、迷うんですよね。

取材カメラとして重要な性能をちょっと比較してみると、

TX1 STYLUS 1s
画素数 2010万画素 1200万画素
センサー 1型 1/1.7型
レンズ(35mm換算) 25〜250mm F2.8 - 5.9 28~300mm F2.8
マクロ 5cm(W端)/70cm(T端) 5cm~60cm(ズーム位置換算約42mmに固定)
サイズ 110.5 x 64.5 x 44.3mm(突起部を除く) 116.2×87×56.5mm(突起部を除く)
重量 約310g 約402g
バッテリー 約300枚 約450枚
USB充電 対応 非対応
動画 フルHD 60p:1920x1080(約28Mbps)&4K動画 フルHD 30p:1920×1080(29.97fps)20Mbps
可動液晶 なし 上下チルト

……ね、一長一短なんですよね。

やはり新しい分、TX1はスペックが高いですし、明るい場所での画質はおそらくSTYLUS 1sより上でしょうね。

しかし取材ではかなり暗いのにストロボが使えないときも多いので、ISO感度が上がらないようレンズの明るさはけっこう重要なのです。

バッテリーはSTYLUS 1sの方がもつのですが、TX1も少なくはないですし、USB充電に対応しているので、モバイルバッテリーを持ち歩くならむしろTX1の方がもつでしょう。

何よりこのコンパクトさ、特に薄さは魅力的です。STYLUS 1sはとてもポケットに入る大きさではないですが、TX1ならギリギリ入るかもしれません。取材では一定の画質を保った上でなるべくコンパクト&軽量な方がいいので、薄いレンズの恩恵はかなり大きいです。

しかし、暗い。

取材ではF5.6だとISO6400になるくらいしか光のない場所もざらなので、F5.9はなかなか冒険です。

かといってズーム倍率を減らして別のカメラを選ぶわけにもいきません。10倍ズームはこの仕事ではほぼ必須です。

うーん。難しい。

現状だと僕はすでにSTYLUS 1sを使っていることもあり、買い換えるまではいかないのですが、今から選ぶならこの差額分をどう考えるかですね。

ちなみにSTYLUS 1sは生産終了という情報もあるので、ますます迷うところです。

囲碁のプロ棋士を破ったAIは、デジカメの世界も変えるかもしれない。

ついに囲碁のトッププロがAIに敗れたということで話題になっているようです。

これを書いている時点でプロ棋士のイ・セドルが2敗しており、このままいくと全敗も大いにありうるようです。

どんな対局が繰り広げられたのかという経緯はあんちべ!さんが丁寧に解説されているので、そちらをご覧いただくと早いです。

antibayesian.hateblo.jp

コンピュータが人間を負かした技術については深いことはわかりませんが、どうやらディープラーニングとセルフ学習で飛躍的に強くなったとか。ディープラーニングでは、インターネットの囲碁対局サービスの棋譜(対局の手順を記した記録)をコンピュータに読み込ませて自動学習させたそうです。

囲碁は将棋やチェスに比べるとふんわりした部分が多く、特に序盤は計算だけではなかなか正解が導き出せません。そこがコンピュータにとって壁となっていた部分なのですが、今回ディープラーニングにより、ありとあらゆるパターンの対局をコンピュータが学習したことで、その「ふんわり」した部分すらも計算が可能になったということなのでしょうか。

そんな囲碁の話はさておき、僕がこの話で思ったのは、このディープラーニングの技術はIoTと組み合わされて、そのうちデジカメの世界にも波及するんじゃないかということです。

どういうことかというと、デジカメの「オート」モードで失敗が限りなくゼロになる時代が近いうちにくるのではないかと思うのです。

ご存じの方も多いですが、デジカメのオートは決して万能ではありません。一昔前とくらべるとだいぶ賢くなりましたが、まだ失敗も多いです。変に明るくなってしまったり、逆に暗くなりすぎたり、ブレたり、ピントが思わぬところにいったり、勝手にストロボを炊こうとしたり……。

これはデジカメのオートのアルゴリズムに限界があるからだと思うのです。

たとえば、黒い服を着た人を画面いっぱいに撮ろうとすると、オートだと画面がものすごく明るくなります。これはなぜかというと、「暗い部分が多いから、全体を明るくすればちょうどよくなるだろう」とデジカメ側が判断するからなのですね。逆に太陽が差し込む窓をバックに人を撮ろうとすると、今度は窓の向こうが明るいため、「白飛びはいかんだろう」とデジカメが判断。そちらに明るさを合わせた結果、部屋の中が暗くなりすぎて肝心の人の顔が真っ暗になったりします。これが「逆光だと人が暗くなってしまう」理由です。

窓の外の景色は白飛びしてもいいから人の顔に合わせて露出を決定してほしいことは多いですし、顔認識機能が発達してからそのへんはかなり正確になってきたのですが、まだまだ完璧ではありません。

と、こんなふうにまったくもって万能ではない現状のオートモードですが、前述のディープラーニングとIoTが普及すれば、飛躍的に改善できるのではないかと期待しています。つまり、デジカメがネットワークを通じてあらかじめディープラーニングした「膨大な量の綺麗な写真」を参考に、最適な露出やホワイトバランスなどを自動設定してくれるのです。「画面が暗いっぽいから露出を上げよう」のようなざっくりした判断ではなく、今撮ろうとしている写真に近い「成功例」を世界中の写真から探しだし、構図や光の具合などを判断するのです。

これなら、ほぼ確実に失敗のない写真をオートで撮れるのではないでしょうか。「そんなの余計なお世話だよ、どう撮るかは自分で決めるよ」という人は、オートを使わなければいいだけです。

もし、こうした技術が可能になるとすれば、それはまずスマホに搭載されるかもしれません。スマホはすでにネットワークに常時接続されていますし、オートを使うユーザーが多いので、恩恵は大きいはずです。

囲碁やデジカメだけではなく、「学習することで最適解を導き出す」ディープラーニングがあらゆる業界に革新をもたらす気がしてなりません。

【2016春】本気でおすすめできる高コスパデジカメ紹介します

春はデジカメがもっとも売れるシーズンです。

卒業旅行、入学式、お花見などなど「カメラ買おっかな」と思うイベントが目白押しで、多くの人が家電量販店のカメラ売り場に群がります。

しかし、量販店で買うのが正解とは限りません。量販店にはシリーズごとの最新モデルが陳列されていることが多いですが、実際には型落ちになった旧モデルにコスパの良いものが眠っている可能性が高いからです。

今回はそんな高コスパデジカメを紹介します。万人に合う究極のデジカメは存在せず、重視する項目によって最適な一台は変わります。簡単な解説をつけておくので、ぜひ自分に合ったデジカメをお選びください。

パナソニックLUMIXシリーズのGM1S。色はブルーとブラウンがあり、どちらも3万円ちょっとで購入が可能です。定価からいうと60%オフというありえない安さで、おそらく今もっともコスパの良いデジカメの一つです。量販店からはそろそろ姿を消しているかもしれません。

コンデジレベルのコンパクトサイズですが、しっかりレンズ交換が可能なミラーレス一眼。マイクロフォーサーズという規格を採用しており、カメラの画質を決定づけるセンサーサイズはスマホはもちろん、一般的なコンデジをはるかに凌駕します。レンズにもよりますが、しっかり「後ろがボケた写真」も撮れます。レンズキットなので汎用的な標準ズームが1本付属。日常使いにはこれで十分でしょうけど、あまり遠くまではズームできないので、運動会などを撮る場合は望遠ズームレンズなどを別途購入したほうがいいでしょう。

とはいえ、この大きさでこの画質が出せるのはGM1Sをおいて他になく、コスパだけでなく大きさ対画質比でも最強の一台です。

続いてもパナソニックLUMIXよりGF7ダブルズームレンズキット。こちらのカメラについては下記でレビューしたので、ご覧ください。

cafewriter.hatenablog.com

僕が買ったときは定価8万円が65,000円くらいに下がっていましたが、現在は5万円程度とすさまじい値下がりっぷりを見せています。性能はほぼGM1Sと同じですが、こちらは自撮りするための機能が豊富についており、高画質かつコンパクトかつ自撮り最適化という点では現在も最強のデジカメです。GM1Sと同じくマイクロフォーサーズ規格を採用しており、レンズ交換可能なミラーレス一眼。ちなみにダブルズームレンズキットのみ販売なので、強制的に望遠ズームレンズがついてきますが、これがまたコンパクトで使いやすい。もっとも、そこまで高倍率というわけではないので、運動会まで対応できるかは微妙なところですが、日常使いで困ることはほとんどないでしょう。

GM1Sには望遠がついてこないので、自撮り機能を抜きにしても、あえてこちらを選ぶというのもありだと思います。

GM1Sと似ていますが、GM5はファインダーがついた一つ上のランクのミラーレス一眼。GM1Sと変わらないコンパクトなボディにファインダーを搭載した技術は本当にすごく、パナソニックの小型化技術の本気を見ました。ファインダーといってもフルサイズ一眼と同等とはいきませんが、小さいわりにはそこそこ見やすいです。晴天時に液晶画面が見づらくて困るという人は、GM1Sではなくこちらがいいでしょう。初値は10万円くらいしましたが、現在は5万円程度でレンズキットが購入可能。昨年出たばかりでまだまだ一線級の性能なのに……。

他にも動画が60p(ちょっと高画質)で撮れたりと、GM1Sとは微妙に差があります。静止画画質はまったく同じです。

過去記事でも言及しましたが、オリンパスのPENシリーズでフラグシップモデルだったE-P5が激安になっています。最新のファインダーつきPEN-Fは15万くらいするのですが、2年前に出たこいつは17mm F1.8の単焦点レンズキットで65,000円程度とバーゲン状態。特に17mm F1.8のレンズは現在でも単体で45,000円くらいするので、どれだけお得かがわかるというもの。ただしここまで安いのはホワイトモデルだけなので注意。

E-P5はレンズ交換可能なミラーレス一眼で、LUMIXと同じマイクロフォーサーズ規格を採用しています。そのため、オリンパスだけでなくパナソニックのレンズも使用できるのがポイント。レンズ選びの幅が広がります。キットでついてくる17mm F1.8はズームができない単焦点ですが、AFが速く描写がやわらかい優れたレンズなので買って損はしないかと。

人気故になかなか値段が落ちないキヤノンですが、ミラーレス一眼のEOS M2だけは別。たしかにAF速度とかレンズの数とか不満点はあるものの、APS-Cでこのサイズはなかなかがんばってると思うんですよね。個人的にはデザインもいいと思います。あまりにも安いのでうっかり買ってしまったのは前に書いた通り。

cafewriter.hatenablog.com

後継機のM3とかM10も出てますけど、M2の方が圧倒的に安いし、質感はむしろ良いと思うんですよね。操作性はあまりよくないので、ゆっくり写真を撮る人に向いたカメラかと。

そろそろなくなってしまいそうですが、ペンタックスの一眼レフK-S1のダブルズームレンズキットが半額以下とありえない金額に。ペンタックスはファインダーがいいんですよね。視野率100%は当たり前。倍率も高くて、この金額で買える一眼レフとしてはかなり出来がいいです。防塵防滴仕様でないのは残念ですが、十分価格以上の性能でしょう。もともとは10万円超ですからね……。

個人的にもほしくて必死に物欲と戦っている高級コンデジLX100。4/3の大型センサーに明るいライカレンズ、クラシカルで直感的な操作系に4Kまで撮れる。完璧じゃない? レンズは換算24-75mmなので望遠がほしい場合は困りますが、逆に標準域で済むならこれで完結できる完成度。なのに発売時よりも4割も安くなっている! 中身が同じOEMのライカ版は未だ15万円程度をキープしているので、これがパナソニックのブランド力のなさなんですかねー……いいカメラ作ってるんだけどな。LX100、必死に耐えていますが、そのうちポロッと買っちゃうかもしれません。色は黒だと普通すぎるのでシルバーがいいと思うんですが、どうでしょ。

これは定価からそこまで下がっているわけではないのですが、性能を考えたら安いよな~と思います。なんといっても最大のポイントは1インチセンサーを搭載していながら超絶コンパクトで軽くて薄いこと。これまでにも1インチコンデジはたくさん発売されていますが、どれも1/1.7型と比べると若干肥大化していて、コンパクトさを求めていた人のニーズは満たせていなかったと思うんですよね。やっぱコンデジなんだからコンパクトじゃないと。そこへきて、やってきたG9X。こういうのを見るとキヤノンはさすがにうまいなと感心せざるを得ません。十字ボタンがなくてタッチパネル中心の操作性など戸惑うところもありそうですが、操作は慣れですし、USB充電など搭載されているのもGOOD。5万円を余裕で切ってきているので買いやすくなっています。

一台で何でも撮りたいならこれでしょう。一眼レフ並みの大きさですが、口角から超望遠までいけて、レンズもそこそこ明るく、1インチセンサーで高画質。4Kまで撮れる……と性能に関しては非の打ち所がないデジカメ。大きささえ許容できれば日常使いから運動会、行楽、旅行までオールマイティーにこなせます。パナソニックの性で、半額近くにまで値段が下がっており、買い時が続いています。


……ということで、ハイコスパデジカメを紹介してきましたが、気づけばパナソニックばっかりですね。だってパナソニックだけハンパないスピードで値下がりするんだもの……。

性能はホントいいので、個人的にはめちゃくちゃ応援しているメーカーなんですが、それで値下がりしなくなるのもちょっと残念という複雑なユーザー心。

どれも買って損はないデジカメばかり。目的に応じてどうぞ。

小さくて持ち運びしやすいライトニングケーブル「ケーブルを持ち歩く、新しいカタチ。」がかなり便利

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どこかで見つけて買った「ケーブルを持ち歩く、新しいカタチ。」とかいうオシャレくさいアイテムがかなり便利だったのでメモ。ちょっと調べたら「Leplus(ルプルス)」というシリーズの製品みたい。

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片方がUSBになっているライトニングケーブルなんですが、めちゃくちゃコンパクトです。

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これくらいしかないのでポケットにも入るし、穴部分を使ってキーホルダーや鍵と一緒にしておくってのもあり。

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使うときはこんなふうにケーブル部分を本体からひっぺがして使います。使い込んだため汚れてる写真ですみません。

ケーブルの長さは5cm。外出先でiPhoneをライトニングケーブルに接続するときって、PCに接続するかモバイルバッテリーにつなぐときしかないので、こんなに短くても意外と十分なことが多いです。むしろiPhone+モバイルバッテリー状態で持ち歩くときは、だらだらケーブルが長く伸びない方がよかったりします。

2,000円くらいしますが、意外と重宝するアイテムです。カラーバリエーションもいろいろあります。おすすめ。

Nikon 1 S2の値段下がりすぎ! 1インチコンデジの値段が高いと感じる人はこっちでいいと思う

前回の記事でNikon 1の今後を心配したばかりで何なんですが、調べてたらNikon 1のエントリーモデルである「Nikon 1 S2」が爆安になってるんですよね。スーパーでいったら20時の半額処分通り越してバイトの大学生が一人暮らしの部屋に持って帰る頃合いくらいの安さ。ようするに完全なる底値。

Nikon 1 S2の標準ズームレンズキット(ブラック)がAmazonで23,000円。価格コムだと21,000円!

望遠ズームレンズを足したダブルズームレンズキットも、ホワイトがAmazonが32,000円!(価格コムも同じ)

発売当時の価格からいうと、

標準ズームレンズキット:60,000円→21,000円。

ダブルズームレンズキット:80,000円→32,000円。

ですからね……!

やばいでしょう、これは。

ここまで安いと、少なくとも価格面では十分1インチコンデジと張り合えます。

何しろ、4年前に出て値段が落ちきった初代RX100ですら、まだ35,000円はするんですよ。それでも十分安いし、だから売れているんですが、Nikon 1 S2ならもっと安くダブルズームレンズキットが買えてしまいますからね。なお、他の1インチコンデジは平気で4~10万とかします。

ちなみにNikon 1 S2、ボディだけなら、もはや20,000円を余裕で切っています。

Nikon ミラーレス一眼 Nikon1 S2 ボディー ブラック S2BK

Nikon ミラーレス一眼 Nikon1 S2 ボディー ブラック S2BK

ということは……。

評判のいい35mm換算50mmの単焦点レンズ「1 NIKKOR 18.5mm f/1.8」が現在Amazonで20,000円なので(これも4割引き)、

4万円弱で両方買って、換算50mmのなんちゃって高級コンデジとしても使える!

そしてもちろん、飽きたら別のレンズをつければいいわけで、こういう使い方はレンズ交換式ならでは。飽きても焦点距離を変えられないコンデジにはないメリットです。それから、この組み合わせならボケ量も1インチコンデジより期待できます。たしか換算50mm F1.8で撮れるレンズを積んだ1インチコンデジはなかったはず。ボケ量としてはマイクロフォーサーズの17mm F1.8よりやや多いくらいなので、ポートレートなんかにも十分使えます。

これはアツいなー。Nikon 1 S2の単焦点コンデジ運用が今アツい!

……まぁ、自分は前にその考え方でうっかりEOS M2のダブルレンズキットを買ってしまったのですが……。

cafewriter.hatenablog.com

ここまで、べた褒めしてきましたけど、Nikon 1 S2には弱点もありますよ。

それは操作性。

Nikon 1 S2は同シリーズでもっとも初心者向けのラインでして、ボタンやダイヤルがかなり省略されているんですね。モードダイヤルすらなくて、モード変更は液晶画面から潜っていかないとできない。

なので、完全に初心者がフルオートで使うことを想定したモデルだと思います。逆にいうと、フルオートで使うなら電源とシャッターボタンとビデオ録画ボタンだけ押せればいいので、Nikon 1 S2はめちゃオススメ。

あとWi-Fiもありません。そろそろ発売から2年たつカメラなので仕方ないのですが、今どきWi-Fiなしというのはちょっと辛いかもしれない(まぁRX100もないけど)。特にこのカメラのユーザーは、撮ったらすぐスマホに写真を飛ばしてシェアしたい人が多いと思いますし。

という感じでいくつか不満点はあるものの、レンズキットで2万円ちょっとという価格は破格ですよ。

今後、「画質のいいデジカメがほしいけど、予算は3万円」という相談があったら、RX100でもG9 XでもXQ2でもなく、こっちを薦めようかな。

Nikon 1よ、どこへ行く - 1インチコンデジ戦国時代でどう価値を示せるか

Nikon ミラーレス一眼 Nikon1 J5 ダブルレンズキット シルバー J5WLKSL

デジカメinfoにニコンの新コンデジシリーズ「Nikon DL」の情報がリークされました。

digicame-info.com


まだ確定ではないのですが、過去の例から見てほぼ間違いなく発表されるものと思われます。

スペックは下記の通り。

Nikon DL24-85

  • センサー: 1インチ BSI CMOSセンサー
  • レンズ: 24-85mm F1.8-2.8
  • 大きさ: 105.4 x 61.5 x 50.0 mm
  • 重さ: 350g

Nikon DL18-50

  • センサー: 1インチ BSI CMOSセンサー
  • レンズ: 18-50mm F1.8-2.8
  • 大きさ: 105.5 x 62.5 x 56.6 mm
  • 重さ: 350g

Nikon DL24-500

  • センサー: 1インチ BSI CMOSセンサー
  • レンズ: 24-500mm F2.8-5.6
  • 大きさ: 122.5 x 89.9 x 139.4 mm
  • 重さ: 830g

主流になりつつある1インチセンサーを搭載し、これまでにどのメーカーもコンデジでは出していない超広角から超望遠まで、焦点距離をあますところなく網羅した意欲的な3機種です。

しかし……ニコンが1インチコンデジを出したことで、ちょっと立ち位置が微妙になってきたミラーレスがあります。

「Nikon 1」

2011年にニコンが新マウントとして送り出した1インチセンサーのミラーレスです。

当時は1インチといえばかなり大きなセンサーだったのですが、2012年にソニーが1インチセンサーとズームレンズを搭載したコンパクトデジカメRX100を発売。コンデジのセンサーサイズのスタンダードが一気に1インチにまで引き上げられました。

その後、数年遅れでキヤノンも1インチセンサーコンデジをラインナップし、パナソニックはさらに大きなセンサーを積んだLX100を発売するなど、コンパクトズームデジカメのセンサーはどんどん大きくなってきています。デジカメにおいてセンサーサイズは画質に関係する何よりも重要な要素。同世代のセンサーで同じ1インチなら、基本的な画質はだいたい一緒と考えて差し支えありません。ミラーレスなんだからコンデジよりも大きなセンサーをということでスタートしたはずの(おそらく)Nikon 1ですが、RX100の登場により画質面ではコンデジと比較されることになってしまったのです。

さらにNikon 1シリーズが不利なのは、専用のレンズを積めるコンデジタイプに比べて、同じセンサーサイズでもレンズが暗くなりがちなところ。そして、ボディサイズでもアドバンテージを取れていないところです。

たとえばNikon 1の最新機種であるJ5と、RX100シリーズ最新のMark IVのボディサイズ比較すると、

f:id:cafewriter:20160222172548j:plain
Compare camera dimensions side by side

ほとんど同じ大きさなんですよね。で、レンズはニコンの方が分厚くて、暗いです(ニコンのキットレンズは3.5-5.6。RX100 Mark IVは1.8-2.8)。テレ端は若干ニコンが長いとはいえ、広角側はRX100 Mark IVの方が有利ですから、これはなかなか厳しい戦いです。レンズ交換式なので明るい単焦点や望遠レンズが使えるという強みはありますが、もっとも汎用的に使える標準レンジでスペックが見劣りするのはセールス的にかなり不利でしょう。

もちろんNikon 1がコンデジに勝る点は多々ありますが(AFとか連写とか)、一般層に訴えるにはちょっと弱いです。センサーサイズとボディサイズとレンズの明るさという、もっとも目立つポイントで優位に立てていないのはかなりきつい。これ、婚活市場で言ったら「職業・ルックス・年収」くらいデカい要素ですからね。サイズやレンズの明るさに関しては、そりゃ専用設計できるコンデジが有利に決まっているのですが、そんなことはユーザーにはどうでもいいことです。

ニコンは1インチに関してはミラーレスで推し進めてきたという事情もあり、これまで1インチセンサーコンデジについては静観してきたわけですが、ライバルのキヤノンがフルラインナップを整えてきたことで、いよいよ乗り出さないわけにはいかなくなってきたのでしょう。

1インチセンサーコンデジ市場に参入するなら、当然ソニーやキヤノンと戦える機種を投入しないといけません。しかし、それは自社のミラーレス「Nikon 1」とカニバってしまう危険性があります。

じゃあどうするか。

少センサーのミラーレスがコンデジに淘汰されず生き残る道については、過去にこんな記事を書きました。

cafewriter.hatenablog.com

1インチよりさらに小さいセンサーのミラーレス「ペンタックスQ」が今後生き残るためには、超広角などコンデジでは難しい写真が、レンズ交換によって撮れることをもっとアピールすべきではという内容です。

実際、ズームで超広角となるとかなりサイズが大きくなりズームレンジも短くなるため、汎用性を重視するコンデジでは採用が難しい面がありました。レンズ交換できる最大のメリットはそこだろうと思ったのです。

ところが今回、ニコンはその超広角ズームレンズを1インチセンサーコンデジの一機種に搭載すると見られています。スペックは35mm換算18-50mm F1.8-2.8ということで、これはまたしてもNikon 1の超広角レンズを上回るものです。

ソニーやキヤノンが手をつけていないズームレンジで攻めるのは後発として当然の姿勢だと思いますが、こんなの出してしまったらNikon 1がますます売りにくくなりませんか……。

Nikon 1はまだレンズがそろっているとは言い難いですし、ここしばらく新レンズも出てきていません。マウントアダプターで一眼レフ用のレンズが使えるとはいえ、それはあくまでもおまけです。ニコン自身も将来を測りかねているのかもしれません。

センサーサイズだけでは計れない魅力をどうアピールしていけるのか、ここ数年がNikon 1の正念場になりそうです。