コメモ。

日記。メモ。備忘録。

もし僕が新人ライターだったら最低限買うカメラ機材と、身に付けるテクニックについて

自分の本業はライターなのですが、今どきのライターは最低限の撮影ができないと仕事になりません。

いや、仕事にならないは言いすぎですが、撮影が一切NGだと確実に仕事が減るのでもったいないです。

ということで今回は、2016年5月現在、もし僕が新人ライターだったらこれを買うだろうなと思う高コスパおすすめ機材と、最低限これだけ覚えとけばそこそこいい感じに撮れるテクニックについて記しておきます。

対象は「これから仕事を始めるライター」なので、一般的なカメラ記事とはかなり異なります。

買うべきカメラ

買うべきカメラは絶対に一眼です。それも一眼レフスタイルのカメラです。一眼レフスタイルであればミラーレスでも可です。

……この時点で初心者は何を言っているかわからないと思うので、具体的に機種名を挙げてみます。

ニコンのD5500+18-140mm レンズキット。

キヤノンのEOS 8000D 18-135mm レンズキット。

パナソニックのLUMIX G7 14-140mm レンズキット。

この3つのどれでもOKです。

なぜか。

ポイントはキット(セット)でついてくるレンズです。

一眼カメラにはだいたいズームレンズキット、ダブルズームレンズキットという2つのキットが用意されているのですが、ライターという仕事においてこの2つのキットはトラップなので買ってはいけません

なぜならズームレンズキットは軽量コンパクトな代わりに遠くの景色が撮れず、ダブルズームレンズキットは望遠レンズに交換するのが死ぬほど面倒だからです。

趣味なら好きにすればいいのですが、取材でレンズ交換を頻繁にするのはかなりしんどいです。たまにやっている人もいますが、真似しない方が無難です。たとえば記者発表会だと、スクリーンの撮影と登壇者の撮影を両方しないといけないので、引きと望遠がめまぐるしく入れ替わります。なおかつノートPCを広げてメモを取ったり原稿を書いたりする必要もあるので、撮影だけしているわけにもいきません。だったらまだボディーを2台持って、それぞれに標準ズームと望遠ズームをつけるべきです。

でも、そんなにお金はかけられませんよね。だから、ボディ+レンズ1個ずつで完結させるためにも、高倍率ズームレンズキット一択です。

写り? たいして違いません。背景ボケ? 95%の仕事で不要です。どうしてもボカしたければ思い切り望遠にして撮ればボケます。

高倍率ズームレンズのAFはちょっと遅いことが多いですが、それはまぁなんとでもなります。そこまでシビアな撮影ならおそらく専業のカメラマンが入るでしょう。しかし、焦点距離だけはどうにもなりません。

以上を踏まえて機材を探すと、ニコンとキヤノンにはそれなりの高倍率ズームレンズがキットになったエントリーAPS-C機がラインナップされています。どちらも10万円を切っているのでお得です。一応ペンタックスにもK-S2という安い高倍率ズームレンズキットがあるのですが、僕が使ったことないので今回は除外。気になるなら調べてみてください。防塵防滴なので結構いいのかも。

それからパナソニックのG7。これはミラーレスなのでD5500や8000Dに比べるとわずかに画質は劣りますが、気にするほどの差ではないので問題ありません。それよりも、ミラーレスながら一眼レフスタイルで、14-140mmという高倍率ズームレンズがセットになっており、8万円程度で買えるというコスパの良さを重視しました。ニコンやキヤノンよりも軽量で、レンズの焦点距離もさらに長いのでオススメです。

一般的なカメラ系の記事ではズームレンズの次に単焦点レンズをオススメされることが多いと思いますが、趣味で写真をやるのでなければ不要です。マクロレンズも必要ありません。高倍率ズームレンズで撮った後、トリミングでOKです。

なぜ一眼レフスタイルなのか?

コンデジでも画質がよく便利なカメラはいくらでもあります。ライターが撮る程度の仕事ではそこまでの画質は必要ないので、単なる取材であればそこそこ望遠で撮れるコンデジでも構いません。もっとコンパクトなミラーレスでも大丈夫です。

しかし、取材される方はそんなことわかりません。小さいコンデジでは"真剣に取材している感"が伝わりにくいのです。どう見られるかは重要です。そこそこ大きさがあり、ファインダーをのぞいて撮る"カメラらしいカメラ"なら間違いありません。

それでも記者発表会くらいなら誰もこちらを気にしないのでいいのですが、困るのはインタビューです。別にコンデジで撮ったっていいのですが、やはり一眼の方が無難です。相手がタレントさんだとなおさらです。

それから、晴天屋外の撮影ではファインダーがないと液晶画面がとても見づらくなることがあります。あらゆる状況に対応するため、実用面でもやはりファインダーはほしいところです。

ストロボは必須

上記の高倍率ズームレンズキットのいずれかを買えば、ボディとレンズはゴールです。これ以上買い足す必要は特にありませんが、一つだけ買っておきたいものがあります。

それは、外付けのストロボです。

高倍率ズームレンズは汎用性が高い代わりに暗く、暗所での撮影が苦手です。

また、インタビューではどうしても顔に変な影が落ちたり、暗くてノイズが乗りまくったりします。

そんな弱点をカバーしてくれるのが外付けのストロボ。あるとないとでは撮影の難度ががらりと変わります

各メーカーで出しているストロボを買えばいいのですが、注意すべきは発光部が上や横を向くタイプにすること。一番安いコンパクトなストロボではできない可能性が高いので注意です。

ちょっとお金はかかりますが、がんばって中位モデルを買うといいでしょう。

Nikon フラッシュ スピードライト SB-500

Nikon フラッシュ スピードライト SB-500

Canon スピードライト 430EX 3-RT

Canon スピードライト 430EX 3-RT

パナソニックは純正でちょうどいいのがないのでニッシンで。

ここまででだいたい10万円ちょっとそろうはずです。

なくてもいいけど買っておくと心に余裕が出るもの

予備のバッテリー(1個あれば十分)と、レンズを保護するためのプロテクター。

どちらも数千円するので、余裕があればでOK。

身につけておくべき最低限のテクニック

カメラを買ったらそのままオートで撮ってもいいのですが、最低限これだけは覚えておくと失敗しにくくなるテクニックがあります。

AFポイントを「中央一点」にしてからの「フォーカスロック」

オートで撮ると、どこにピントを合わせるかはカメラがすべて決めることになりますが、これではなかなか狙ったところにピントがいかず人物を通り越して背景に合ってしまうということもあります。

それがないようにピントだけは自分でコントロールするようにしましょう。半押ししてピントを合わせるとき、AFポイントが「中央一点」なら必ず中央にピントがきますから、そのまま半押しを維持してカメラをずらし、構図を変えてシャッターを押し込むというテクニックです。慣れると絶対にこちらの方が速く正確に撮影できます(明るい単焦点は使わない前提なのでコサイン誤差は気にしなくてOK)。

フルオートでAFの設定ができない場合は「P」モードを使いましょう。また、「P」を使うときはISO感度をオートに変更し、上限値を6400~12800程度に設定しましょう。

露出補正

マニュアル撮影以外ではカメラが写真の明るさを決めるため、こちらの意図通りにならないことがあります。たとえば逆光で顔が黒くつぶれたり、逆に白飛びしたりといった具合です。

こういうときのために「露出補正」だけは覚えておくといいでしょう。1枚撮ったら再生してみて、「画面が暗すぎる→露出補正をプラスする」「画面が明るすぎる→露出補正をマイナスする」でOK。補正の数値は状況で変わるので0.3~2くらいを目安に。

ホワイトバランス

ホワイトバランスというと難しそうですが、スマホのカメラで例えるなら、要するにInstagramのフィルターみたいな機能のことです。通常はオートにしておけばだいたいイイ感じにしてくれますが、たまーに電球なんかの影響を受けて写真が妙にオレンジがかったりします。

そういう場合はホワイトバランスをいじってやると色味を変えられるので、いろいろ試してみるといいでしょう。

天井バウンス撮影

インタビュー仕事で撮影もするなら、絶対に覚えておきたいのがこの天井バウンス

別に難しいことはなく、外付けのストロボをカメラにつけたら、発光部をぐりんっと天井に向けてやるだけです。

理屈はおいといて、こうすると「いかにもストロボを炊きました!」という感じの写真にならず、ナチュラルに明るく好印象な人物写真が撮れます

ただし、天井バウンス撮影で何とかなるのは「天井が高すぎず、白っぽい」場合に限ります。

会議室なんかはだいたいこの条件を満たすので、迷わず天井バウンス撮影でOKなのですが、イベント取材なんかだと天井が高すぎたりするので天井バウンスは意味がないことも多いです。

そういうときはあきらめて普通に前に向けて直射しましょう。暗くてブレるよりマシです。


以上、もし僕が新人ライターだったら最低限買うカメラ機材と、身に付けるテクニックでした。

10万円の出費は痛いと思いますが、仕事のクオリティがぐっと上がることを思うと安い初期投資だと思います。

ネットのハウツー記事が初心者向けばかりになる理由

ネットにはあらゆるジャンルにおけるハウツー記事があって、カメラの選び方とか撮影方法なんかもちょっと検索すればごろごろ出てきます。僕もたまに書いてますし。

でも出てくるのはいわゆる初心者向けの記事ばかりなんですよね。上級者向けの記事もあるにはあるけど、初心者向けに比べると圧倒的に少ないです。

その理由を軽く整理してみます。

  • ネットの構造の問題

全員とはいいませんが、ネットで小銭を稼ごうと思ったら現時点では広告に頼る必要があります。メディアだろうとブログだろうと、その点はたいして違いません。
広告を張るならPVが必要であり、PVをとるためにはターゲットを広く取る必要があります。
どんなジャンルでも初心者は一番多く、中級者、上級者と上がっていくにつれて脱落し数は減少します。
同じ手間をかけるなら、初心者向けの記事を量産した方がPVにつながります。
ちなみにこれは紙の専門誌も同じで、とあるガジェット雑誌でも一番人気はつねに初心者向けハウツー企画だと聞きました。

  • 書き手不足

ターゲットを絞り込んでマニアックなファンを集め、記事広告やバナー広告で稼ぐという方法もありますが、次に問題になるのは書き手不足。
初心者向けの記事を書こうと思ったら、少なくとも書き手はそのレベルを多少なりとも上回っている必要があります。中級者向けの記事を書くなら、さらに上のレベルの書き手でないと難しいでしょう。
上にいくにつれて書き手が減っていくので、広告の話を抜きにしても上級者向けの記事が出ないのは当然といえます。

  • 価値のある情報は単体で売れる

一定のレベルを超えた情報には、有料で販売できるだけの価値が生まれます。
その情報を得るためには、たとえば有料のセミナーに参加したり、学校に通ったり、書籍を購入したりと、直接お金を払う必要があります。
逆にいえば、ネットで公開されている情報は"無料で公開しても構わない程度の情報"です。


ジャンルによってはすばらしい情報が無料で公開されていることもありますが、そういうサイトに限ってSEOの問題で埋もれてしまっていたりするんですよね……。

これからブログやメディアを立ち上げてマネタイズするぞという人は、やろうとしている分野の情報がどの段階までネットで無料公開されているのかをリサーチしてみるといいかもしれません。

超会議でコスプレイヤー撮影してきた - 機材や撮影の進め方の覚書

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4月29日30日の2日間、ニコニコ超会議でコスプレイヤーさんの撮影のお仕事をしてきました。

コスプレイヤー撮影は初めてではないのですが、ああいったイベントで大量に撮る仕事は初めて。いろいろ学ぶことが多かったです。

気づいたことなどをメモしておきます。

機材

今回の機材は、

Nikon デジタル一眼レフカメラ D800E ボディー D800E

Nikon デジタル一眼レフカメラ D800E ボディー D800E

D800Eに、

Nikon マルチパワーバッテリーパック MB-D12

Nikon マルチパワーバッテリーパック MB-D12

MB-D12(縦グリップ)を装備。

コスプレ撮影は縦構図で撮影することが多いので、縦グリップはあった方がなにかと便利です。

Nikon 標準ズームレンズ AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED フルサイズ対応

Nikon 標準ズームレンズ AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED フルサイズ対応

レンズは24-70mm F2.8(旧型)

イベントでの撮影は被写体との距離を調整しにくい上にレンズ交換するほどの時間的余裕がありません(人気のレイヤーさんは撮影待ちで並んでいるし)。

よって単焦点はキツイ。ズームレンズはほぼ必須ですが、一方で背景がごちゃごちゃしていることが多く、できるだけ背景を整理するために明るいレンズが望ましいです。

ということで、自分の手持ちでは24-70mm F2.8一択でした。

Nikon スピードライト SB-910

Nikon スピードライト SB-910

ストロボはSB-910。念のため予備の電池も。

これに巨大なディフューザーをつけて参加しました。明るい場所だろうと顔の影を消すのにストロボは必須ですが、直当てすると顔がてかったりしておかしなことになるので、ディフューザーは必須です。

このディフューザー、人によってそれぞれぜんぜん違うものを使っていることからもわかる通り、絶対的な正解はないので好きなものを使えばOK。

ただし、光をやわらかくするためにできるだけ面が大きいものを使うのがベターです。自分が使ったのは邪魔にならない程度に、しかしかなり大きめのものでした。

設定

細かく露出を調整する暇はないので、基本的にはAモード。調光モードはスポットに設定。ストロボはTTLオートのハイスピードシンクロでOK。ニコンの調光精度はかなり高く、安心して任せることができます。

念の為に調光補正は-0.7~1.0くらいに振っておくといいかも。ハイライトよりはシャドウの方が後処理しやすいので。

構図

基本的にはバストアップ、全身の2種類をおさえる感じ。コスプレは衣装がキモなので、そのキャラがなんなのかわからないくらい寄ったりボカしたりはしない。

キャラによっては追加で顔のアップを狙ってもいいかも。かわいい雰囲気を出す場合はすわってもらって上目遣いを上から撮るのが定番。こうすると表情をおさえながら衣装も入れられます。全身の場合はやや下からあおると足長効果が出ます。

できるだけ大きく、それでいて全身入れたい場合は、あえて斜めに傾けて撮るのもあり。対角線が一番長いので。

撮影中

こうしたイベントでの撮影はできるだけスピーディーに。

どう撮るかは事前に決めておいてカット数を稼ぐ。ピントは当然、目。基本は開放でいいけど、複数人のときは注意しないとどちらかにしかピントが合っていない状態になるので、被写界深度はちゃんと調整すること。大勢での合わせの場合は集合写真と同じで誰かが目をつぶっていたり変顔になっている可能性があるので、念のため何枚も撮っておくといい。

ポーズは基本的にレイヤーさん任せでOKですが、撮影しているうちに「これ、いいな」と思うポーズや表情が浮かぶことがあるので、それはこちらからお願いをします。

人によって撮影スタイルはいろいろなので正解はないけど、自分の場合は撮りながらずっと声かけしています。それから1枚1枚の撮影間隔をなるべく同じにするとリズム感が出てレイヤーさんもノッてくれる。いつシャッターを切るかわからないとレイヤーさんもポーズをキープしにくい(と思う)。

撮影マナー

必須なのは掲載確認。プレスじゃなくても当然するべきでしょう。

そこから撮影に入り、終わったらレイヤーさんと情報交換。たいていのレイヤーさんはコスネームやTwitterアカウントを入れた名刺かボードを持っているので、それをいただく。

または持ってもらって1枚おさえておくと、後で見なおしたときに名前と顔が一致します。

メディアの場合、なるべく早く写真を掲載しないといけないので撮って出ししているところもあるみたいですが、可能な限り簡単な調整はした方がいいと思います。慣れるとそんなに時間はかからないので。

イベントでのコスプレ撮影は環境としてはわりと劣悪な方に入ると思いますが、だからこそ撮り方や機材でクオリティに雲泥の差が出ます。

他の撮影にも応用できることが多く、かなり勉強になりました。

パナソニックの新型カメラ「GX7 MK2」開発の裏事情

Panasonic ミラーレス一眼カメラ ルミックス GX7MK2 ボディ ブラック DMC-GX7MK2-K

パナソニックが5月18日に発売するミラーレス一眼「GX7 MK2」の背景にある事情がちょっと面白いので書き残しておこうと思います。

何が面白いのかというと、その名前

「GX7 MK2」

MK2は「Mark2」のこと。マーク2、つまり「GX7」の2世代目ということになります。

カメラの新モデルにマーク○(数字)がつくパターンは別に珍しいことではなく、キヤノンやオリンパス、ソニーなどで普通に使われているネーミングです。

しかし、パナソニックが「マーク○」を使うのは、実は今回が初めて

そしてここが、僕が面白いなと思った部分でもあります。

何を言っているのか、まだいまいちわからないと思うので、解説します。

まずはパナソニックのミラーレス一眼ブランド「LUMIX」のシリーズ構成を紹介しましょう。

他のカメラメーカー同様、パナソニックの「LUMIX」にもいくつかの機種がラインナップされており、価格や機能でヒエラルキーが存在します。

第一に、LUMIXの頂点である「GH」シリーズ。

静止画よりもむしろ動画機能の高性能さで知られるシリーズです。現在の最新モデルは「GH4」。映像系のプロも当たり前のように使っており、4K動画をはじめとする高画質な動画機能がこれでもかとつめこまれています。まさにプロフェッショナル機と呼ぶにふさわしいフラグシップモデルです。

そして「GX」シリーズ。

GHシリーズに続いてLUMIXでは2番手に位置づけられる高機能モデルです。現在の最新モデルは「GX8」。このGXシリーズが今回の話のメインとなります。

続いてミラーレス一眼の始祖ともいえる「G」シリーズ。

性能も外観も「GH」シリーズに似ていて、リトルGHとも呼べるバランスのいいモデル。現在は3代目である「G7」がラインナップされていて、性能を考えるとありえない低価格で販売されています。コストパフォーマンスでは全カメラメーカーを入れてもNo.1でしょう。

そして小型モデルの「GF」シリーズ。

こちらは過去にレビューしたのでご覧いただきたいのですが、女性をターゲットにした小型軽量のエントリーモデルとなっています。最新モデルは「GF7」で、やはり価格的にとてもお買い得です。

cafewriter.hatenablog.com

最後に超小型「GM」シリーズ。

小型なので最後に紹介しましたが、造りの良さや定価を考えるとエントリーモデルと呼んでいいかは微妙なところ。現在、生産が終了しており後継機の発表が待たれます。

……といったところで、LUMIXのカメラを紹介してきましたが、何となく気付きましたか?

そう、LUMIXのカメラは、すべて「シリーズ名+数字」というネーミングルールに則って名前がつけられているんですね。

「GH4」とか「G7」とか「GF7」とか。

ところが、「GX」シリーズだけは「GX7MK2」なのです。

なぜか。

実は「GX」シリーズの最新モデルに「GX8」というカメラが存在します。

このカメラは昨年発売されたもので、2013年発売の「GX7」の後継機としての位置づけでした。

Panasonic ミラーレス一眼カメラ ルミックス GX8 ボディ 2030万画素 ブラック DMC-GX8-K

銘機として人気のあったGX7から3年。GX7ユーザーはGX8を楽しみに待っていたのです。

ところが、満を持して登場したGX8に、GX7ユーザーの多くから不満の声が上がりました。

原因はボディの大きさです。

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Camera size

左がGX7、右がGX8です。ご覧の通りGX8の方がかなり大きくなっています。

もちろん、ただ大きくなったわけではなくて、その分いろいろな機能がアップしました。ファインダーは大きく見やすくなり、手ぶれ補正も強力になり、グリップも大きくしっかりしたものになり、大きめの望遠レンズをつけても違和感はありません。パナソニック開発陣はGX8のコンセプトについてインタビューで次のように語っています。

従来のGX7も、サイズ感やデザイン、ファインダーのチルト機構など高い評価をいただきましたが、他社のフラッグシップと比較すると、操作感やグリップ感にもの足りなさを感じる方もいらっしゃいました。そこで、ストリートフォトのフラッグシップとして、従来のGX7よりも1段上の風格や操作性を追求したのがGX8です。

つまり、GHよりも一つ下のモデルだったGXシリーズを格上げし、「ダブルフラグシップ体制」にしたというのです。

これを望んでいたユーザーもいたでしょう。

しかし、従来のGX7の「機能と大きさのバランスのちょうどよさ」が好きだったユーザーは、明らかにオーバースペックなGX8に戸惑いました

GHシリーズとGX8は大きすぎる。GシリーズはリトルGHなのでやはり大きめだし、さりとてGFやGMシリーズになると今度は機能面で不満がある……。

コンパクトな大きさに多機能をギュッと凝縮したGX7が好きだったユーザーは、宙ぶらりんの状態に追い込まれたのです。

こうした声はパナソニックにも届いていたと思われます。

良くも悪くもユーザーの声に敏感に反応するのが日本のメーカーの性。

ユーザーが小さいGXシリーズを望んでいるなら、応えなければならない。

しかし、困ったことに、すでにGX7の後継機としてはGX8が存在します。

GシリーズもG7を出したばかりだし、GFやGMシリーズにもそれぞれファンがいるので、GX7の役割を担わせるわけにはいかない。

じゃあどうする?

……そうやって逡巡した末にパナソニックが出した答え。

それが「GX7 MK2」だったのではないかと思うのです。

つまり、GX7の正当な後継機はマーク2ですよ、と。

GX8は機能的にも大きさ的にもGX7とは別物なので、GX7の後継機はちゃんと用意しましたよ、と。

一応筋は通っている気はしますが、ネーミングにはどうしても行き当たりばったり感が漂ってしまっています。

だって、シリーズ名は「GX」だったはずでしょう? なのに「GX7 MK2」って、それもう「GX7」がシリーズ名になってるじゃん!

そんなツッコミを入れたユーザーは僕だけではないはず。

でもまぁ、そういうところも含め、真面目に製品を作ってくるパナソニックとLUMIXが好きなんですけどね。

もっとLUMIX売れないかなぁ。本当にいいカメラを作るメーカーなんですけどね。

カシオって不思議なメーカーだよな

カシオって不思議なメーカーだよな、と思う。

いろいろな事業をやっていて、そのどれもちゃんとしているんだけど、不思議とその業界に染まっていないというか、何か他のメーカーとは壁一枚隔てたところにいるような印象がある。

たとえば僕にとってカシオはデジカメメーカーなんだけど、ニコンやキヤノン、ソニーやオリンパスなんかに比べると、いわゆるデジカメオタクからは圧倒的にスルーされているのね、カシオって。世界で初めてデジタルカメラを作ったメーカーなのにね。

コンデジばかりでレンズ交換式デジカメを作っていないからデジカメオタクからは軽く見られているのかもしれないけど、それだけでもない気がする。カメラ専業メーカーじゃないってこともあるかもしれないけど、それを言い出したらキヤノンもオリンパスもソニーも専業ではないし。

別にカシオはテキトーにデジカメ事業をやっているわけではない。きっちり利益も出しているっぽいし、BCNランキングでも2年連続でちゃっかり3位に入ってる。

右肩下がりが続くカメラ市場において利益を出している立派なカメラメーカーのはずなんだけど、なぜかカシオって他のメーカーとちょっと立ち位置が違うんだよなぁ。ニコンとかキヤノンとかソニーとかオリンパスとかリコーとか富士フイルムとかパナソニックが同じ大陸で戦争しているとしたら、カシオは近くの島国からのんびり眺めてるって感じ。同じように感じている人、いるんじゃないだろうか。

で、カシオはGショックでおなじみの腕時計メーカーでもあるわけだけど、これまた独自の立ち位置を築いている印象。セイコーとかシチズンとかロレックスとかオメガとかとはちょっと違った土俵という感じ。Gショックみたいなタフネス系の腕時計だからジャンルが違うだろうって? それはそうなんだけど、じゃあ仮にカシオがロレックスみたいな機械式腕時計を作り始めたとして、同じ土俵で比較されるのかというと……なんかちょっと違う気がするんだよね。ロレックスとセイコーで迷うことはあっても、ロレックスとカシオで迷うことはないというか、何となくそういう感じ。

あと、電子楽器も作ってたっけ。

ぜんぜん知らない分野だから、ここは言及しないけど、どうなんですかね。楽器メーカーとしてのカシオは、他のメーカーと同じ土俵で戦ってるんでしょうか、楽器ファンの皆さん。

いろいろな事業をやっていて、どれもちゃんとやっているんだけど、なぜかその業界の戦いからは一歩引いたところで独自の立ち位置を築いているような、そんな感じ。特に根拠はなくてぜんぶ印象ではあるけど。

カシオってホント、不思議なメーカーだよな。

何となくいい感じに桜を撮る3つの小技

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今さらかよという感じですが、まだ桜は散ってないし、今週末がお花見という人もいると思うので、何となくいい感じに桜を撮る小技を3つほど紹介しておきます。スマホでは難しいものもありますが、本格的な一眼レフとかじゃなくてもぜんぜんOKです。

といっても大したテクニックではないのですが、

  • 晴れなら空を入れる。曇りなら空を入れない

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これは昨年撮ったやつなんですが、晴れているときは積極的に青空を桜のバックに入れていくと綺麗です。

でもお花見の日が晴れているとは限らなくて、どんより曇っている日もありますよね。曇り空と桜の組み合わせは撮り方にもよりますが、あまり相性はよろしくないです。曇り空をバックにしてもいい感じに撮れるセンスの塊みたいな人はそれでいいのですが、普通は難しい。

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そういうときはもう、空を入れない方がいいです。難しい課題からは逃げるのが正解。

  • オートでカメラが決めた明るさよりも明るくする

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この写真ばっかりですが、今年まだこれしか撮ってないんですよね。仕事のついでにふらっと撮ったやつなんですが。

で、これは明るさをカメラ任せにして撮っています。夜桜とかは別にして、桜を大きく撮ろうとすると、たいていこういう明るさになります。

ちょっと暗いですよね。なぜこうなるかというと、桜はたいてい白くて明るいので、カメラが勝手に「明るすぎるやろ」と判断し、全体の明るさを下げるんですね。カメラにはそれが桜かどうかはわかりませんから。

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なので、カメラが出してきた明るさを自分で上げてやると、白くて綺麗な桜になります。ちょっとだけ上げてもわかりにくいので、0.7〜1.0くらい上げてやるといいと思います。

  • 遠くから思い切りズームして撮る

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桜って近寄って撮ろうとすると、わりとスッカスカだったりして、花で埋もれる感じのボリューム感が出にくいです。

そういうときは離れたところから思い切りズームして撮ると、桜がギュッと詰まって撮れるのでボリュームが出ます。専門用語でいう圧縮効果というやつです。

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スマホでは無理ですが、ズームレンズつきのカメラを持っていたらぜひ試してみてください。

以上、

  • 晴れなら空を入れる。曇りなら空を入れない
  • オートでカメラが決めた明るさよりも明るくする
  • 遠くから思い切りズームして撮る

何となくいい感じに桜を撮る小技でした。

今ほしいガチ撮影用のカメラバッグ - 大きさ・重量・収納力で選ぶ

カメラ沼には何種類かあって、有名なのはレンズ沼ですが、僕が今つかりかけているのはバッグ沼です。

もう何種類も持っているんだけど、撮影スタイルが変われば適切なバッグも変わり、マジで終わりがない無限地獄。

理想的なバッグが一つあればいいなんていうのは沼の中の蛙、大海を知らずですよ。

そんなわけで今探しているのは、ガチの撮影用に使えるカメラバッグ。

最近はおかげさまで撮影仕事も増えてきて、出張なんかもちょくちょくあり、そのためのバッグを探しているわけです。

現在はロープロのプロローラーX200を使っているのですが、このサイズだと飛行機の手荷物にならないことがあるし、気軽に運ぶのにはちょっと辛い。機材的にもうちょっと少なくてもいいだろってこともあります。

入れたい機材をまとめると、

フルサイズ一眼レフボディ2台
大三元2本(標準・望遠)
広角ズームレンズ
マクロ
単焦点1~2本
ストロボ1~2個
MacBook
その他小物

これでおそらく最大。

ライトは別のバッグで持ち運ぶとして、とりあえず上記が入るバッグで、機内持ち込みできるくらいコンパクトで、電車移動もしやすいショルダータイプのものがほしい。

いろいろ検討した結果、候補にした製品は3つ。

ロープロのステルスリポーターD550AW。

外寸は横幅410×奥行280×高さ300mm。重量2410g。

なんといっても安い! PCの収納スペースがあって、収納力も抜群。小型機でもギリギリ手荷物にできる。見た目はあまり好きじゃない。

サイズのわりに重すぎるかなー。

ARTISAN&ARTIST アルティザン&アーティスト カメラバッグ ブラック GDR-213C-BLK

ARTISAN&ARTIST アルティザン&アーティスト カメラバッグ ブラック GDR-213C-BLK

登山と写真で仕事をしている人。で紹介されていたアルティザン&アーティスト GDR-213C。

この手のカメラバッグにしてはデザインがいい。ボディ2台と大三元とストロボ収納可能ということで、最低限仕事ができるだけの機材は入りそう。紹介していたブロガーさんもブライダルで使っていたと書いていたので、それなりに収納力はあるんだと思う。

外寸は横幅350×奥行き300×高さ200mm。重量は1550gととてもコンパクト。気になるのはノートPCが入らなそうってこと。

tamrac ショルダーバッグ 10L グレー 610-30

tamrac ショルダーバッグ 10L グレー 610-30

タムラック610。

知り合いが使っているのを見て、これはいい! と思ったやつ。

外寸は横幅510×奥行250×高さ260mmと、けっこうな大きさ。重量は1871g。小物を収納できそうなスペースがたくさんあって便利そう。見た目は捨てました。

レンズは問題なく全部入りそうだけど、ノートPC入るスペース作れるかな、これ。

あと、サイズ感が100cmをほんの少し超えるので飛行機内持ち込みがちょっと不安。


……という感じで、機材とPCがが入るならという条件付きでアルティザン&アーティスト GDR-213Cが第一候補。コンパクトだし軽いし見た目もいい。

でも機材が厳しいようであればロープロのステルスリポーターD550AWかタムラック610になる。前者はPC収納できて大きさも外寸合計100cmに収まるけど、2.4kgもあるのは何で? という感じ。

後者は大きさのわりには軽くて収納力は抜群だけど、100cm超えるのとPC入るスペースがあるかわからない。

どれも一長一短なので、もうちょっと悩みそうですが、ブックマークもかねて記事にしておきます。