コメモ。

日記。メモ。備忘録。

ファインダーは? 焦点距離は? 記者・ライターのカメラ選びのポイント

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記者・ライターはカメラマンではないので、そこまで高性能なカメラを持つ必要は基本的にありません。

とはいえ、何も持たないというのも、それはそれでダメです。いくらカメラマンがいても取材では何が起きるかわかりませんし、自分の記録用に撮影しておく必要もあります。

カメラは必要だけど、カメラマンほどの機材は不要という微妙なポジションにいる記者・ライターは、どんなカメラを選ぶべきなのか。そして、現時点で条件を満たすカメラは何なのか。

日々の仕事から感じるポイントを挙げていきます。

 

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ファインダーはできれば欲しい

個人的に欲しいのがファインダー。さほど動体を撮る機会は多くないので、光学ファインダーでも電子ファインダーでも外付けでも何でもOKです。背面液晶じゃダメなのかというと、そんなことはありません。コンデジやミラーレスなら普段は背面液晶で十分です。電子ファインダーより消費電力も少ないですしね。

しかし、晴天時に外で取材するような場合は、背面液晶は非常に見えにくくなります。取材ではどんな状況が待っているかわかりませんから、普段は使わないにしても、いざというときのためにファインダーはあったほうが安心です。

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望遠側の焦点距離は最低100mm

焦点距離は最低100mm(35mm換算)は欲しいところです。根拠を聞かれると「個人の経験から」としか言いようがないのですが、あらゆる取材をこなすためには100mm程度の望遠は必要です。100mmあれば、たとえば記者会見などでも最前列からならある程度の大きさで人物を狙えます。それ以上だと、300mmくらいまでは無駄にならないでしょう。300mmを超えるズームが必要な取材はめったにありません。

その点で、一眼レフやミラーレスのキットレンズは焦点距離が短すぎます。高級コンパクトでもRX100M3やLX100は70〜75mm程度なので微妙です。足りなくてにっちもさっちもいかないというほどではありませんが、「あとちょっと伸びれば……」という場面が多いです。この「あとちょっと」が、30mm分なのです。

ただし、RX100M3のように画素数が多い場合は、超解像ズームなどで対応できることもありそうです。

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チルト液晶orバリアングル液晶もできればほしい

なくてもいいのですが、あると便利なのがチルト液晶、またはバリアングル液晶。大勢の報道陣が集まる場面では、最前列がとれずに人混みの後ろから写真を撮らなくてはいけないことがあります。そんなとき、液晶がチルトすれば、カメラを高く掲げてのライブビュー撮影が捗るのです。また、ローアングルからの撮影も(そんなにないですが)、地面に這いつくばらなくていいので楽になります。

チルト&バリアングルは非常に便利です。特にライブビューでのAFが速いコンデジやミラーレスでは積極的に使っていくべきだと思います。

大きさ、重さは個人の好き好きだけど、バッテリーのもちは気にするべき

大きさや重さについては、人によって許容範囲が違うので、なんとも言えません。個人的には軽量コンパクトであればあるほどいいと思いますが、一眼レフの方が取材している感が出るというメリットもあるでしょう。

気にするべきは、むしろバッテリーの駆動時間です。予備のバッテリーを持てばいい話ではありますが、取材の大事な場面でバッテリーが切れるとけっこう焦ります。ごちゃごちゃした状況では、バッテリー交換もままならないことも。もちが良いにこしたことはありません。というか、バッテリーの心配をしながら取材したくないです。

ちなみにデジカメでは総じてボディが大きい方がバッテリーのもちも良い傾向にありますが、全部が全部そういうわけではありません

一眼レフならだいたいどれももちが良いので気にしなくてOKですが、ミラーレスやコンデジだとかなり差が出ます。しっかり撮影枚数をチェックしましょう。

画質はほどほどでOK

取材では背景をボカす必要があまりないので、センサーサイズにはさほどこだわらなくてOKです。ウェブなら画質自体、それほど気にする必要はなし。レンズが明るいのなら、1/1.7型センサー程度あれば十分です。1/2.3型はさすがに高感度できつくなってきそうですが……。できれば1インチ以上あると、画質が必要な場面でも十分実用に堪えます。

条件を満たしたカメラは?

今回挙げた条件を満たすおすすめのコンパクトデジカメをピックアップしてみました。

何度も当ブログで紹介しているSTYLUS 1。1/1.7型センサーなので画質はそこそこ程度ですが、F値が通し2.8の10倍ズームというおそろしいスペックのレンズを搭載しています。撮影枚数も410枚と、コンデジとしてはかなり優秀。まさに万能の取材用カメラです。マイクロUSB充電できないことだけが欠点。後継機にSTYLUS 1sが出ていますが、中身は99%同じなので旧モデルがお買い得。

富士フイルムのX30。ミラーレスも含め、トップレベルに見やすいファインダーとチルト液晶、明るく28〜112mmという必要十分な焦点距離のレンズを備えており、撮影枚数はコンデジトップレベルの470枚と、パーフェクトなバランスの良さ。マイクロUSB充電できるのも大きい。

画質もかなり良く、300mmまでの望遠が不要なら、STYLUS 1ではなく、こっちでしょう。地味にズームが電動ではなく手動なのもポイントが高いです。取材では広角と望遠をスピーディーに切り替えないといけない場面もあるので、手動の方が便利なんですよね。

どうしてもコンパクトさが必要なときは、このRX100M3があらゆる点においてベストだと思います。画質は前述の2モデルを上回っており、撮影枚数も320枚と決して多くはないですが、まずまず及第点。マイクロUSB充電が可能なので、スペックよりは安心できます。

また、小さいボディに電子ファインダーを内蔵していて、晴天時の撮影では威力を発揮してくれます。最大の弱点は70mmまでしか伸びないズームですが、ここは2000万画素の高画素を活かした「超解像ズーム」で約139mmまで伸ばせます。画質劣化がきになるところですが、ウェブなら十分でしょう。そもそも画質がもっと必要なら、さすがに違うカメラを持ち出すべきです。とにかくコンパクトさを重視するならこれしかないという取材向きのコンデジです。