コメモ。

日記。メモ。備忘録。

画質がよくてポケットに入るコンデジを探したら3種類しかなかった

デジカメマニアとしての最近のマイブームは「ポケットに入ること」です。

前にもちらっと書きましたが、特殊な用途を除いてデジカメは完全にスマホに置き換わっています。

デジカメの利点といえは「画質がいい」とか「ズームできる」とか微妙なものばかりで、そんなものはスマホの「意識しなくてもつねに持ち歩いている」という利点一発で粉々に打ち砕かれてしまいます。だって一般的な人が日常的に撮る写真の9割はご飯とか自撮りとか集合写真でしょう。そんなもん広角単焦点レンズをつけたスマホで事足りますもんね。記録写真だから画質なんかいらないし、ズームもデジタルズーム(トリミング)でまったく気にならない。だったらカメラなんか一台でいいっつー話です。

これって実はカメラが好きなはずの自分自身にもいえることで、仕事用の一眼レフとかを除けば僕も普段からカメラを持ち歩くことってそんなにないんですよね。せっかく普段用にと小さいカメラをいくつも買ったのに……。

それではもったいないので、ちょっと自己分析してみたんです。

「そもそもカメラ専用機を持ち歩く必要はあるのか」
「必要があるなら、なぜカメラを持ち歩かないのか」
「そんな自分がどうすればカメラを持ち歩くようになるのか」

これで結局、「いらないじゃん」っていう結論になったら趣味用のデジカメは売り払ってもいいかも。持ち歩かないデジカメなんて置いといても仕方ないし。

……さて、じゃあ1つずつ考えてみましょうか。

「そもそもカメラ専用機を持ち歩く必要はあるのか」

これは「ある」ですね。というのも、やっぱりスマホだと撮りたいのに撮れないシーンって結構あるんですよ。たとえばちょっと暗いお店でご飯や人を撮るのはスマホにはかなり厳しいですし、そういうところだとスマホのフラッシュも炊きにくい。

先日もとあるお店で肉寿司を食べたんですが、店内が暗すぎてぜんぜん明るく撮れないんですね。色もコントラストも出ないし、ブレまくるし、ぜんぜんおいしそうじゃない。本当に記録しただけ。これは人それぞれの感じ方なので、それでいいって人もいるでしょうけど、少なくとも僕は撮った写真はネットにアップするか人に見せるかするので、「もうちょっと綺麗に撮りたいのになぁ」と思いました。

こういう場面って結構あるので、やっぱりデジカメは持ち歩きたいわけです。そういうときだけ持っていくというのもありですが、僕はあまり計画的ではないので突発的に必要になることの方が多いんですよね。

よし、自己分析終了。やっぱりデジカメは必要だな。

で、「必要があるなら、なぜカメラを持ち歩かないのか」ですが、これは冒頭でも書いた通り、スマホの「携帯性」というメリットが大きすぎて「画質」というデメリットをカバーできてしまっているから。逆にいうとデジカメの「携帯性」というデメリットが大きすぎるからともいえます。ちなみにカバンに入れろよという意見は、僕が何よりも荷物を増やすことを嫌がる性格なので却下です。

じゃあどうすれば「カメラを持ち歩くようになるのか」。

「画質」が「携帯性」を覆せない以上、改善できるところは「デジカメの携帯性」しかありません。

デジカメの携帯性がスマホに並べば、「画質」の差分でデジカメが優位になります。

スマホレベルで自然に身に付けることができ、スマホレベルでサッと取り出して撮影できるようにするためには……。

これはもう「ポケットに入るサイズ」のデジカメを探すしかありませんよね。なぜなら僕が普段、スマホをポケットに入れているからです。

ということで、いろいろ試してみたのですが、「ポケットに入る」ための条件で重要なのはただ一つ。

「厚み」

です。

正直、たいていのコンデジであれば縦横のサイズは大したことありませんし、iPhoneよりコンパクトです。ところが、レンズ分の厚みがあるためにポケットに入らないのです。

この時点で、ミラーレスは却下です。たとえば僕が持っているミラーレスだとEOS M2に22mmとか、GF7に12-32mmとかをつければかなり薄くなりますが、それでも厚みは5cmくらいにはなってしまいます。5cmではポケットには入りません。できれば3cm、少なくとも3.5cm程度に抑えたいところです。

もっと薄くできる可能性があるとしたら……これはもう沈胴式のレンズを搭載したコンデジしかありません。

しかし、ここで立ちはだかるのは「画質」の壁です。

コンデジでも薄くてコンパクトなものはセンサーが小さいものが多く、スマホとの違いを出しにくいのです。ぱっと見てスマホよりも明らかに綺麗だとわかるためには、1型センサー以上でないと厳しいでしょう。

それでいて厚みを可能な限り抑えた機種となると……。

という感じでどんどん条件を絞っていった結果、厚み3.5cm以下という条件で出てきたのは3機種しかありませんでした。

キヤノンのG9Xと、

リコーのGR IIと、

パナソニックのCM10です。

G9Xは厚みが3.08cm。同ランクの1型コンデジの中でも圧倒的に薄く、軽量コンパクトです。

GR IIは盲点でしたが、画質はAPS-Cで1型をもはるかに凌ぎ、それでいて3.47cmとギリギリ3.5cmを切っています。ズームはありませんが、そもそもスマホ的な使い方をするならズームは不要ともいえます。

っていうかGRは持っているので、実際にやってみればいいんですよね。ためしにジーンズの尻ポケットに入れてみたらギリギリ入りました(膨らみが気になるといえば気になりますが)。

ポケットに入れて手ぶらで常時携帯するなら、ここらへんが限界ですね。

ちなみに他にも1型コンデジだとRX100とかG7Xとかあるのですが、残念ながらそれぞれ3.59cm、4.04cmと3.5cmをオーバー。APS-Cでいくと、富士フイルムのX70が候補ですが、やはり4.44cmとオーバーしています。

CM10はちょっと特殊なカメラで、2.11cmとずば抜けて薄型ではあるのですが、どちらかというとかなりスマホよりなんですよね。Android搭載しているし、SIM挿してネットもできるし。通話機能がないしバッテリーのもちを考えると、結局スマホはまた別に持ち歩くことになりそうですが、安いSIMを挿して写真SNS専用スマホとして使うのも面白いかもしれません。できればこの厚みでカメラ専用機を作ってほしいんですけどね。

ということで、現状だと僕の場合はG9XかGRの二択で、すでに所有しているGRを持ち運ぶことになりそうですが、ここへきてGRの暗所AF性能の低さが気にかかるところです。暗いところだとiPhoneよりもフォーカスが迷うんですよね、GR……。

スマホに滅ぼされそうになっているコンデジですが、高級路線でどんどん趣味的な方向へ逃げるのではなく、徹底的に薄型にしてスマホに勝負を挑む機種ももっと出してほしいなと、そんなことを思いました。

ブログでフリー素材の画像を使う理由って何なの?

フリー素材の画像、特にぱくたそあたりの画像を使っているブログをよく見かけるのですが、あれにはどういう意味があるのでしょうか?

ほとんどの記事はその画像がなくても成立する内容であり、フリー素材は単なるアイキャッチにしかなっていないように思います。

15年ブログをやってきた経験から断言しますが、アイキャッチやイメージカットとしてフリー素材を使うのはデメリットが大きすぎます。

ブログの最大の価値は「個性」であり、ブログ名、ハンドルネーム、デザイン、文章、写真、すべての表現で個性を出していかないと、まず覚えてもらえません。

アイキャッチ画像を否定するわけではなくて、画像がないと寂しいというのなら、自分で撮った写真を使えばいいでしょう。内容にあった写真を用意するのが面倒? 別に内容に合っている必要なんてないでしょう。毎日の朝ごはんを撮って貼り付けていくだけでもいいじゃないですか。そっちのほうがよっぽど印象に残るし、親近感を持ってもらえると思うのですが。

わざわざ他のブログやサイトで使われているだろうフリー素材で己の個性を殺すことにどういうメリットがあるのか、どなたか教えてほしいです。

何か明確な意味とメリットがあるなら僕も使いますんで。

AmazonでニコンCOOLPIX Aが半額以下に! 激安でAPS-Cの写りを手に入れるチャンス

Nikon デジタルカメラ COOLPIX A DXフォーマットCMOSセンサー搭載 18.5mm f/2.8 NIKKORレンズ搭載 ABK ブラック

COOLPIX Aというカメラがあります。

ニコンから2013年3月21日に発売されたカメラで、薄型のコンパクトカメラながら一眼レフと同じAPS-Cのセンサーを搭載し、ポケットサイズの実力派として話題になりました。

しかし、売行きはいまいちで今に至るまで後継機が出ていないという不遇のモデルでもあります……。

売れなかったのは別にCOOLPIX Aに問題があったわけではなく、同時期に発売されたリコーのGRとコンセプトがダダかぶりだったため。

※こちらは現在も順調に後継機が出ています。

35mm換算28mmの単焦点レンズを搭載したスナップシューターとしてコアなファンを抱えるGRにはさすがに勝てず、同じコンセプトならGRを買うわという人が多くてCOOLPIX Aはカメラ史の闇に消えてしまったわけですが、別に性能的にダメなカメラだったわけではありません。

そりゃあ細かい操作性なんかはGRにくらべると煮詰められていなかった印象ですし、レンズバリアがなかったのも手軽さという意味ではマイナスでした。時期的に当時最新の画像処理エンジンEXPEED3を搭載できたにも関わらず、一つ前の世代のD7000と同じ1600万画素センサー+EXPEED2という組み合わせもコストダウン感ありありでしたし。

とはいえ、レンズはGRにも負けないさすがのニッコールクオリティで評価も高かったですし、操作系もニコンの一眼レフに近くて、むしろニコンに慣れている人には使いやすい。それに何と言ってもAPS-Cでこのサイズ感はGRを除けばCOOLPIX A一択ですからね。

そう、GRがなければね……。

ということで、ニコンユーザーである僕も当時GRを購入し、COOLPIX Aのことはすっかり忘れていたのですが、地味に今でも販売が続けられていたようで、チェックしてみるとAmazonで半額以下の大バーゲン状態になっていました。

なんと定価約12万円のところ、半額以下の5万円!

シルバーに至っては衝撃の47,000円!!

安レンズ1本分でAPS-Cのコンパクトカメラが買えるとは……。

当時はGRの影に隠れていましたが、こうなると俄然ほしくなりますね。

いや、GR持ってるからいらないはずなんだけど……。んぐぐぐぐぐぐ。

なお、Wi-Fiでスマホに写真を送るなどの便利機能は世代的についていませんが、純正のWU-1aというアクセサリを使うと可能になります。

Nikon ワイヤレスモバイルアダプター WU-1a

Nikon ワイヤレスモバイルアダプター WU-1a

小さいのでカメラのコンパクトさを損なわないのもGOOD。

Nikon デジタルカメラケース ブラック CS-CP4-5BK

Nikon デジタルカメラケース ブラック CS-CP4-5BK

ケースとストラップは純正品が出ています。3,600円くらい。

そういうのをつけずにカバンに放り込んでおくのもいいと思いますが。

7,000円くらいと高いのですが、個人的にはめちゃめちゃかっこいいと思うレンズフード。質もよくて高級感あります。

Nikon 光学ファインダー DF-CP1 BK ブラック DFCP1BK

Nikon 光学ファインダー DF-CP1 BK ブラック DFCP1BK

ファインダーないと嫌なんすわという人には外付けの光学ファインダーを。ちょっと、いやかなり高いですが……。

僕は基本的に外付けのファインダーってかっこ悪いと思っているのですが、COOLPIX Aだけはレンズフードと一緒につけるとかっこいいなと思うんですよね。なんでだろう、ちょいやぼったい感じがいいのかも。レトロな駅舎とかがよく似合うカメラって感じ。

ただし、レフ機ではないので撮影範囲が上下にずれるパララックスが生じます。ご注意を。

アクセサリまでぜんぶ買うと高いので、僕だったらレンズフードだけ買ってつけっぱなしでカバンに放り込んでおくかなぁ。

そういう気取らない使い方が似合うカメラだと思います。

もし僕が新人ライターだったら最低限買うカメラ機材と、身に付けるテクニックについて

自分の本業はライターなのですが、今どきのライターは最低限の撮影ができないと仕事になりません。

いや、仕事にならないは言いすぎですが、撮影が一切NGだと確実に仕事が減るのでもったいないです。

ということで今回は、2016年5月現在、もし僕が新人ライターだったらこれを買うだろうなと思う高コスパおすすめ機材と、最低限これだけ覚えとけばそこそこいい感じに撮れるテクニックについて記しておきます。

対象は「これから仕事を始めるライター」なので、一般的なカメラ記事とはかなり異なります。

買うべきカメラ

買うべきカメラは絶対に一眼です。それも一眼レフスタイルのカメラです。一眼レフスタイルであればミラーレスでも可です。

……この時点で初心者は何を言っているかわからないと思うので、具体的に機種名を挙げてみます。

ニコンのD5500+18-140mm レンズキット。

キヤノンのEOS 8000D 18-135mm レンズキット。

パナソニックのLUMIX G7 14-140mm レンズキット。

この3つのどれでもOKです。

なぜか。

ポイントはキット(セット)でついてくるレンズです。

一眼カメラにはだいたいズームレンズキット、ダブルズームレンズキットという2つのキットが用意されているのですが、ライターという仕事においてこの2つのキットはトラップなので買ってはいけません

なぜならズームレンズキットは軽量コンパクトな代わりに遠くの景色が撮れず、ダブルズームレンズキットは望遠レンズに交換するのが死ぬほど面倒だからです。

趣味なら好きにすればいいのですが、取材でレンズ交換を頻繁にするのはかなりしんどいです。たまにやっている人もいますが、真似しない方が無難です。たとえば記者発表会だと、スクリーンの撮影と登壇者の撮影を両方しないといけないので、引きと望遠がめまぐるしく入れ替わります。なおかつノートPCを広げてメモを取ったり原稿を書いたりする必要もあるので、撮影だけしているわけにもいきません。だったらまだボディーを2台持って、それぞれに標準ズームと望遠ズームをつけるべきです。

でも、そんなにお金はかけられませんよね。だから、ボディ+レンズ1個ずつで完結させるためにも、高倍率ズームレンズキット一択です。

写り? たいして違いません。背景ボケ? 95%の仕事で不要です。どうしてもボカしたければ思い切り望遠にして撮ればボケます。

高倍率ズームレンズのAFはちょっと遅いことが多いですが、それはまぁなんとでもなります。そこまでシビアな撮影ならおそらく専業のカメラマンが入るでしょう。しかし、焦点距離だけはどうにもなりません。

以上を踏まえて機材を探すと、ニコンとキヤノンにはそれなりの高倍率ズームレンズがキットになったエントリーAPS-C機がラインナップされています。どちらも10万円を切っているのでお得です。一応ペンタックスにもK-S2という安い高倍率ズームレンズキットがあるのですが、僕が使ったことないので今回は除外。気になるなら調べてみてください。防塵防滴なので結構いいのかも。

それからパナソニックのG7。これはミラーレスなのでD5500や8000Dに比べるとわずかに画質は劣りますが、気にするほどの差ではないので問題ありません。それよりも、ミラーレスながら一眼レフスタイルで、14-140mmという高倍率ズームレンズがセットになっており、8万円程度で買えるというコスパの良さを重視しました。ニコンやキヤノンよりも軽量で、レンズの焦点距離もさらに長いのでオススメです。

一般的なカメラ系の記事ではズームレンズの次に単焦点レンズをオススメされることが多いと思いますが、趣味で写真をやるのでなければ不要です。マクロレンズも必要ありません。高倍率ズームレンズで撮った後、トリミングでOKです。

なぜ一眼レフスタイルなのか?

コンデジでも画質がよく便利なカメラはいくらでもあります。ライターが撮る程度の仕事ではそこまでの画質は必要ないので、単なる取材であればそこそこ望遠で撮れるコンデジでも構いません。もっとコンパクトなミラーレスでも大丈夫です。

しかし、取材される方はそんなことわかりません。小さいコンデジでは"真剣に取材している感"が伝わりにくいのです。どう見られるかは重要です。そこそこ大きさがあり、ファインダーをのぞいて撮る"カメラらしいカメラ"なら間違いありません。

それでも記者発表会くらいなら誰もこちらを気にしないのでいいのですが、困るのはインタビューです。別にコンデジで撮ったっていいのですが、やはり一眼の方が無難です。相手がタレントさんだとなおさらです。

それから、晴天屋外の撮影ではファインダーがないと液晶画面がとても見づらくなることがあります。あらゆる状況に対応するため、実用面でもやはりファインダーはほしいところです。

ストロボは必須

上記の高倍率ズームレンズキットのいずれかを買えば、ボディとレンズはゴールです。これ以上買い足す必要は特にありませんが、一つだけ買っておきたいものがあります。

それは、外付けのストロボです。

高倍率ズームレンズは汎用性が高い代わりに暗く、暗所での撮影が苦手です。

また、インタビューではどうしても顔に変な影が落ちたり、暗くてノイズが乗りまくったりします。

そんな弱点をカバーしてくれるのが外付けのストロボ。あるとないとでは撮影の難度ががらりと変わります

各メーカーで出しているストロボを買えばいいのですが、注意すべきは発光部が上や横を向くタイプにすること。一番安いコンパクトなストロボではできない可能性が高いので注意です。

ちょっとお金はかかりますが、がんばって中位モデルを買うといいでしょう。

Nikon フラッシュ スピードライト SB-500

Nikon フラッシュ スピードライト SB-500

Canon スピードライト 430EX 3-RT

Canon スピードライト 430EX 3-RT

パナソニックは純正でちょうどいいのがないのでニッシンで。

ここまででだいたい10万円ちょっとそろうはずです。

なくてもいいけど買っておくと心に余裕が出るもの

予備のバッテリー(1個あれば十分)と、レンズを保護するためのプロテクター。

どちらも数千円するので、余裕があればでOK。

身につけておくべき最低限のテクニック

カメラを買ったらそのままオートで撮ってもいいのですが、最低限これだけは覚えておくと失敗しにくくなるテクニックがあります。

AFポイントを「中央一点」にしてからの「フォーカスロック」

オートで撮ると、どこにピントを合わせるかはカメラがすべて決めることになりますが、これではなかなか狙ったところにピントがいかず人物を通り越して背景に合ってしまうということもあります。

それがないようにピントだけは自分でコントロールするようにしましょう。半押ししてピントを合わせるとき、AFポイントが「中央一点」なら必ず中央にピントがきますから、そのまま半押しを維持してカメラをずらし、構図を変えてシャッターを押し込むというテクニックです。慣れると絶対にこちらの方が速く正確に撮影できます(明るい単焦点は使わない前提なのでコサイン誤差は気にしなくてOK)。

フルオートでAFの設定ができない場合は「P」モードを使いましょう。また、「P」を使うときはISO感度をオートに変更し、上限値を6400~12800程度に設定しましょう。

露出補正

マニュアル撮影以外ではカメラが写真の明るさを決めるため、こちらの意図通りにならないことがあります。たとえば逆光で顔が黒くつぶれたり、逆に白飛びしたりといった具合です。

こういうときのために「露出補正」だけは覚えておくといいでしょう。1枚撮ったら再生してみて、「画面が暗すぎる→露出補正をプラスする」「画面が明るすぎる→露出補正をマイナスする」でOK。補正の数値は状況で変わるので0.3~2くらいを目安に。

ホワイトバランス

ホワイトバランスというと難しそうですが、スマホのカメラで例えるなら、要するにInstagramのフィルターみたいな機能のことです。通常はオートにしておけばだいたいイイ感じにしてくれますが、たまーに電球なんかの影響を受けて写真が妙にオレンジがかったりします。

そういう場合はホワイトバランスをいじってやると色味を変えられるので、いろいろ試してみるといいでしょう。

天井バウンス撮影

インタビュー仕事で撮影もするなら、絶対に覚えておきたいのがこの天井バウンス

別に難しいことはなく、外付けのストロボをカメラにつけたら、発光部をぐりんっと天井に向けてやるだけです。

理屈はおいといて、こうすると「いかにもストロボを炊きました!」という感じの写真にならず、ナチュラルに明るく好印象な人物写真が撮れます

ただし、天井バウンス撮影で何とかなるのは「天井が高すぎず、白っぽい」場合に限ります。

会議室なんかはだいたいこの条件を満たすので、迷わず天井バウンス撮影でOKなのですが、イベント取材なんかだと天井が高すぎたりするので天井バウンスは意味がないことも多いです。

そういうときはあきらめて普通に前に向けて直射しましょう。暗くてブレるよりマシです。


以上、もし僕が新人ライターだったら最低限買うカメラ機材と、身に付けるテクニックでした。

10万円の出費は痛いと思いますが、仕事のクオリティがぐっと上がることを思うと安い初期投資だと思います。

ネットのハウツー記事が初心者向けばかりになる理由

ネットにはあらゆるジャンルにおけるハウツー記事があって、カメラの選び方とか撮影方法なんかもちょっと検索すればごろごろ出てきます。僕もたまに書いてますし。

でも出てくるのはいわゆる初心者向けの記事ばかりなんですよね。上級者向けの記事もあるにはあるけど、初心者向けに比べると圧倒的に少ないです。

その理由を軽く整理してみます。

  • ネットの構造の問題

全員とはいいませんが、ネットで小銭を稼ごうと思ったら現時点では広告に頼る必要があります。メディアだろうとブログだろうと、その点はたいして違いません。
広告を張るならPVが必要であり、PVをとるためにはターゲットを広く取る必要があります。
どんなジャンルでも初心者は一番多く、中級者、上級者と上がっていくにつれて脱落し数は減少します。
同じ手間をかけるなら、初心者向けの記事を量産した方がPVにつながります。
ちなみにこれは紙の専門誌も同じで、とあるガジェット雑誌でも一番人気はつねに初心者向けハウツー企画だと聞きました。

  • 書き手不足

ターゲットを絞り込んでマニアックなファンを集め、記事広告やバナー広告で稼ぐという方法もありますが、次に問題になるのは書き手不足。
初心者向けの記事を書こうと思ったら、少なくとも書き手はそのレベルを多少なりとも上回っている必要があります。中級者向けの記事を書くなら、さらに上のレベルの書き手でないと難しいでしょう。
上にいくにつれて書き手が減っていくので、広告の話を抜きにしても上級者向けの記事が出ないのは当然といえます。

  • 価値のある情報は単体で売れる

一定のレベルを超えた情報には、有料で販売できるだけの価値が生まれます。
その情報を得るためには、たとえば有料のセミナーに参加したり、学校に通ったり、書籍を購入したりと、直接お金を払う必要があります。
逆にいえば、ネットで公開されている情報は"無料で公開しても構わない程度の情報"です。


ジャンルによってはすばらしい情報が無料で公開されていることもありますが、そういうサイトに限ってSEOの問題で埋もれてしまっていたりするんですよね……。

これからブログやメディアを立ち上げてマネタイズするぞという人は、やろうとしている分野の情報がどの段階までネットで無料公開されているのかをリサーチしてみるといいかもしれません。

超会議でコスプレイヤー撮影してきた - 機材や撮影の進め方の覚書

f:id:cafewriter:20160502152152j:plain

4月29日30日の2日間、ニコニコ超会議でコスプレイヤーさんの撮影のお仕事をしてきました。

コスプレイヤー撮影は初めてではないのですが、ああいったイベントで大量に撮る仕事は初めて。いろいろ学ぶことが多かったです。

気づいたことなどをメモしておきます。

機材

今回の機材は、

Nikon デジタル一眼レフカメラ D800E ボディー D800E

Nikon デジタル一眼レフカメラ D800E ボディー D800E

D800Eに、

Nikon マルチパワーバッテリーパック MB-D12

Nikon マルチパワーバッテリーパック MB-D12

MB-D12(縦グリップ)を装備。

コスプレ撮影は縦構図で撮影することが多いので、縦グリップはあった方がなにかと便利です。

Nikon 標準ズームレンズ AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED フルサイズ対応

Nikon 標準ズームレンズ AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED フルサイズ対応

レンズは24-70mm F2.8(旧型)

イベントでの撮影は被写体との距離を調整しにくい上にレンズ交換するほどの時間的余裕がありません(人気のレイヤーさんは撮影待ちで並んでいるし)。

よって単焦点はキツイ。ズームレンズはほぼ必須ですが、一方で背景がごちゃごちゃしていることが多く、できるだけ背景を整理するために明るいレンズが望ましいです。

ということで、自分の手持ちでは24-70mm F2.8一択でした。

Nikon スピードライト SB-910

Nikon スピードライト SB-910

ストロボはSB-910。念のため予備の電池も。

これに巨大なディフューザーをつけて参加しました。明るい場所だろうと顔の影を消すのにストロボは必須ですが、直当てすると顔がてかったりしておかしなことになるので、ディフューザーは必須です。

このディフューザー、人によってそれぞれぜんぜん違うものを使っていることからもわかる通り、絶対的な正解はないので好きなものを使えばOK。

ただし、光をやわらかくするためにできるだけ面が大きいものを使うのがベターです。自分が使ったのは邪魔にならない程度に、しかしかなり大きめのものでした。

設定

細かく露出を調整する暇はないので、基本的にはAモード。調光モードはスポットに設定。ストロボはTTLオートのハイスピードシンクロでOK。ニコンの調光精度はかなり高く、安心して任せることができます。

念の為に調光補正は-0.7~1.0くらいに振っておくといいかも。ハイライトよりはシャドウの方が後処理しやすいので。

構図

基本的にはバストアップ、全身の2種類をおさえる感じ。コスプレは衣装がキモなので、そのキャラがなんなのかわからないくらい寄ったりボカしたりはしない。

キャラによっては追加で顔のアップを狙ってもいいかも。かわいい雰囲気を出す場合はすわってもらって上目遣いを上から撮るのが定番。こうすると表情をおさえながら衣装も入れられます。全身の場合はやや下からあおると足長効果が出ます。

できるだけ大きく、それでいて全身入れたい場合は、あえて斜めに傾けて撮るのもあり。対角線が一番長いので。

撮影中

こうしたイベントでの撮影はできるだけスピーディーに。

どう撮るかは事前に決めておいてカット数を稼ぐ。ピントは当然、目。基本は開放でいいけど、複数人のときは注意しないとどちらかにしかピントが合っていない状態になるので、被写界深度はちゃんと調整すること。大勢での合わせの場合は集合写真と同じで誰かが目をつぶっていたり変顔になっている可能性があるので、念のため何枚も撮っておくといい。

ポーズは基本的にレイヤーさん任せでOKですが、撮影しているうちに「これ、いいな」と思うポーズや表情が浮かぶことがあるので、それはこちらからお願いをします。

人によって撮影スタイルはいろいろなので正解はないけど、自分の場合は撮りながらずっと声かけしています。それから1枚1枚の撮影間隔をなるべく同じにするとリズム感が出てレイヤーさんもノッてくれる。いつシャッターを切るかわからないとレイヤーさんもポーズをキープしにくい(と思う)。

撮影マナー

必須なのは掲載確認。プレスじゃなくても当然するべきでしょう。

そこから撮影に入り、終わったらレイヤーさんと情報交換。たいていのレイヤーさんはコスネームやTwitterアカウントを入れた名刺かボードを持っているので、それをいただく。

または持ってもらって1枚おさえておくと、後で見なおしたときに名前と顔が一致します。

メディアの場合、なるべく早く写真を掲載しないといけないので撮って出ししているところもあるみたいですが、可能な限り簡単な調整はした方がいいと思います。慣れるとそんなに時間はかからないので。

イベントでのコスプレ撮影は環境としてはわりと劣悪な方に入ると思いますが、だからこそ撮り方や機材でクオリティに雲泥の差が出ます。

他の撮影にも応用できることが多く、かなり勉強になりました。

パナソニックの新型カメラ「GX7 MK2」開発の裏事情

Panasonic ミラーレス一眼カメラ ルミックス GX7MK2 ボディ ブラック DMC-GX7MK2-K

パナソニックが5月18日に発売するミラーレス一眼「GX7 MK2」の背景にある事情がちょっと面白いので書き残しておこうと思います。

何が面白いのかというと、その名前

「GX7 MK2」

MK2は「Mark2」のこと。マーク2、つまり「GX7」の2世代目ということになります。

カメラの新モデルにマーク○(数字)がつくパターンは別に珍しいことではなく、キヤノンやオリンパス、ソニーなどで普通に使われているネーミングです。

しかし、パナソニックが「マーク○」を使うのは、実は今回が初めて

そしてここが、僕が面白いなと思った部分でもあります。

何を言っているのか、まだいまいちわからないと思うので、解説します。

まずはパナソニックのミラーレス一眼ブランド「LUMIX」のシリーズ構成を紹介しましょう。

他のカメラメーカー同様、パナソニックの「LUMIX」にもいくつかの機種がラインナップされており、価格や機能でヒエラルキーが存在します。

第一に、LUMIXの頂点である「GH」シリーズ。

静止画よりもむしろ動画機能の高性能さで知られるシリーズです。現在の最新モデルは「GH4」。映像系のプロも当たり前のように使っており、4K動画をはじめとする高画質な動画機能がこれでもかとつめこまれています。まさにプロフェッショナル機と呼ぶにふさわしいフラグシップモデルです。

そして「GX」シリーズ。

GHシリーズに続いてLUMIXでは2番手に位置づけられる高機能モデルです。現在の最新モデルは「GX8」。このGXシリーズが今回の話のメインとなります。

続いてミラーレス一眼の始祖ともいえる「G」シリーズ。

性能も外観も「GH」シリーズに似ていて、リトルGHとも呼べるバランスのいいモデル。現在は3代目である「G7」がラインナップされていて、性能を考えるとありえない低価格で販売されています。コストパフォーマンスでは全カメラメーカーを入れてもNo.1でしょう。

そして小型モデルの「GF」シリーズ。

こちらは過去にレビューしたのでご覧いただきたいのですが、女性をターゲットにした小型軽量のエントリーモデルとなっています。最新モデルは「GF7」で、やはり価格的にとてもお買い得です。

cafewriter.hatenablog.com

最後に超小型「GM」シリーズ。

小型なので最後に紹介しましたが、造りの良さや定価を考えるとエントリーモデルと呼んでいいかは微妙なところ。現在、生産が終了しており後継機の発表が待たれます。

……といったところで、LUMIXのカメラを紹介してきましたが、何となく気付きましたか?

そう、LUMIXのカメラは、すべて「シリーズ名+数字」というネーミングルールに則って名前がつけられているんですね。

「GH4」とか「G7」とか「GF7」とか。

ところが、「GX」シリーズだけは「GX7MK2」なのです。

なぜか。

実は「GX」シリーズの最新モデルに「GX8」というカメラが存在します。

このカメラは昨年発売されたもので、2013年発売の「GX7」の後継機としての位置づけでした。

Panasonic ミラーレス一眼カメラ ルミックス GX8 ボディ 2030万画素 ブラック DMC-GX8-K

銘機として人気のあったGX7から3年。GX7ユーザーはGX8を楽しみに待っていたのです。

ところが、満を持して登場したGX8に、GX7ユーザーの多くから不満の声が上がりました。

原因はボディの大きさです。

f:id:cafewriter:20160421214800p:plain
Camera size

左がGX7、右がGX8です。ご覧の通りGX8の方がかなり大きくなっています。

もちろん、ただ大きくなったわけではなくて、その分いろいろな機能がアップしました。ファインダーは大きく見やすくなり、手ぶれ補正も強力になり、グリップも大きくしっかりしたものになり、大きめの望遠レンズをつけても違和感はありません。パナソニック開発陣はGX8のコンセプトについてインタビューで次のように語っています。

従来のGX7も、サイズ感やデザイン、ファインダーのチルト機構など高い評価をいただきましたが、他社のフラッグシップと比較すると、操作感やグリップ感にもの足りなさを感じる方もいらっしゃいました。そこで、ストリートフォトのフラッグシップとして、従来のGX7よりも1段上の風格や操作性を追求したのがGX8です。

つまり、GHよりも一つ下のモデルだったGXシリーズを格上げし、「ダブルフラグシップ体制」にしたというのです。

これを望んでいたユーザーもいたでしょう。

しかし、従来のGX7の「機能と大きさのバランスのちょうどよさ」が好きだったユーザーは、明らかにオーバースペックなGX8に戸惑いました

GHシリーズとGX8は大きすぎる。GシリーズはリトルGHなのでやはり大きめだし、さりとてGFやGMシリーズになると今度は機能面で不満がある……。

コンパクトな大きさに多機能をギュッと凝縮したGX7が好きだったユーザーは、宙ぶらりんの状態に追い込まれたのです。

こうした声はパナソニックにも届いていたと思われます。

良くも悪くもユーザーの声に敏感に反応するのが日本のメーカーの性。

ユーザーが小さいGXシリーズを望んでいるなら、応えなければならない。

しかし、困ったことに、すでにGX7の後継機としてはGX8が存在します。

GシリーズもG7を出したばかりだし、GFやGMシリーズにもそれぞれファンがいるので、GX7の役割を担わせるわけにはいかない。

じゃあどうする?

……そうやって逡巡した末にパナソニックが出した答え。

それが「GX7 MK2」だったのではないかと思うのです。

つまり、GX7の正当な後継機はマーク2ですよ、と。

GX8は機能的にも大きさ的にもGX7とは別物なので、GX7の後継機はちゃんと用意しましたよ、と。

一応筋は通っている気はしますが、ネーミングにはどうしても行き当たりばったり感が漂ってしまっています。

だって、シリーズ名は「GX」だったはずでしょう? なのに「GX7 MK2」って、それもう「GX7」がシリーズ名になってるじゃん!

そんなツッコミを入れたユーザーは僕だけではないはず。

でもまぁ、そういうところも含め、真面目に製品を作ってくるパナソニックとLUMIXが好きなんですけどね。

もっとLUMIX売れないかなぁ。本当にいいカメラを作るメーカーなんですけどね。