コメモ。

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【OM-D E-M1レビュー】なんでも撮れる最強の仕事用カメラ! 取材で楽をしたい記者にとってのおそらく最適解【満足度95/100】

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そういえばずっと使っているOM-E E-M1をまだレビューしていなかったので、書いておきます。

OM-D E-M1はオリンパスのデジカメで、同社のフラグシップモデルです。フラグシップとはそのメーカーの最高機種という意味ですが、60万円ほどするニコンやキヤノンに比べて11万円程度とはるかに価格も安く、アマチュアでも手が届く範囲です。また、それまでオリンパスが続けていたフォーサーズ規格とマイクロフォーサーズ規格を統合するきっかけにもなったエポックメイキングな製品でもあります。

……というような内容はE-M1を購入検討されている方ならご存知だと思うので、さっそくレビューを。

 

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使い勝手は抜群。フラグシップモデルの名に恥じない操作性とレスポンス

まず結論から書いておくと、使い勝手の面ではほぼ満点といっていいでしょう。2×2ダイヤルによるすばやい設定変更や、ローアングル・ハイアングルで便利なチルト式液晶、キャッツアイコントロールを搭載して現時点では最高峰のEVF(電子ファインダー)、小型ながら剛性の高いボディ、信頼の防塵防滴とダストリダクション、そしてデジカメ業界随一の5軸手ぶれ補正。etc...

まさに全部入りで、機能面ではこれ以上付け加えるものがないほどの充実っぷりです。

さらに、レスポンスも高速で、自分が他に所有しているデジカメと比較するなら、D800E以上。GRとほぼ同等です。サクサクと撮影できるので、肝心の場面を撮り逃すことがありません。

必要十分な画質と取材仕事にありがたい大量のバッファが◎

マイクロフォーサーズ規格らしく、レンズも含めるとかなりコンパクトにまとまる点はE-M1最大のメリット。画質が求められる仕事ではD800Eを使いますが、そうではない取材案件であればE-M1で十分な画質が得られます。1600万画素あるので、ウェブはもちろん、紙でも十分に使える大きさです。

唯一難点を挙げるなら、マイクロフォーサーズなのでアスペクト比が4:3になることでしょうか。3:2で使うことが多いので、ここは後継機でマルチアスペクトを採用してほしいところ。でも3:2にトリミングしても1200万画素あるので、十分使えます。

また、報道の仕事では「撮り逃す」ことがあってはならないので、連写後に一定時間シャッターが切れなくなる"バッファ詰まり"が大敵です。D800Eもここが弱点なのですが、E-M1はどうやら大量のバッファを積んでいるようで、RAW+jpgで50枚程度までスローダウンしません。これは本当にありがたい。E-M5から買い替えた最大の理由はこれでした。大満足です。

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難点はSDカードへの書き込み速度とバッテリー、スマホ連携のラグ、アスペクト比

ほぼ100点といっていいE-M1ですが、あともうちょっとという箇所もあります。といっても普段使いならどれも問題にはならない程度だと思いますが……。

ひとつはSDカードへの書き込み速度。撮影自体のバッファは問題ないのですが、大量に連写するとSDカードへの書き込みにどうしても時間がかかり、撮影画像の確認が遅くなってしまうのです。これは、SDカードというメディアを使う以上は仕方のない部分もありますが……。なるべく高速に書き込めるカードを使っていますが、後継機では何とか高速化できると嬉しいところです。

あとはさんざん言われていますが、EVFを使ったときのバッテリーの減りが早いこと。一眼レフのように電源入れっぱなしでウロウロするのは怖くてできません。これも仕方のない部分ですが、フラグシップモデルとしてはちょっと心もとない枚数なので、次に期待したいところです。

そしてスマホ連携のラグ。E-M1はリモート操作でスマホから設定変更や撮影を行えるのですが、ライブバルブを使ったときの操作がややもたつきます。花火などをリモートで撮る場合はこのちょっとしたもたつきが命取りになったりするので、気をつけたいところです。あとアスペクト比はさっきも書いた通り、マルチアスペクトで3:2にしてほしいところ。

総評としては、非常に使い勝手のいい万能機です。もうけっこう使っていますが、取材仕事はほぼE-M1で何とでもなります。高くて重いカメラシステムを組むくらいなら、E-M1を中心にマイクロフォーサーズでシステムを組んだ方がよっぽど仕事がはかどると思いますよ。僕はカメラが好きなので他のも使いますけどね。

マイクロフォーサーズはレンズも充実していますし、記者という職業にとってはもうここがゴールでいいんじゃないでしょうか。

【追記】電子ファインダーの見やすさは現時点でナンバーワン

電子ファインダーの素晴らしさについて語るのを忘れていました。E-M1の電子ファインダーは、X-T1、α7、GH4などと並んで、おそらく現在のデジカメ業界最高レベルのものです。E-M5の144万ドットの電子ファインダーにも感動しましたが、そのときはまだ「とはいえ光学ファインダーにはまだ勝てないな」という印象でした。

それに比べると、E-M1のファインダーは「ついに光学ファインダーに並んだ」と確信できるレベルに達しています。

たしかに電子ファインダーの弱点である微妙なラグはまだないとは言いませんが、少なくとも「見え方」に関しては、APS-Cの小さなファインダーを凌駕しているといっていいでしょう。

X-T1の電子ファインダーもなかなか衝撃でしたが、あちらは有機ELということもあってか、個人的にはちょっとコントラストが高めに出すぎます。E-M1のファインダーはキャッツアイコントロールの効果もあるのか、非常に自然でクリアです。

かつて、「電子ファインダーでは光学ファインダーを超えることは絶対にできない」という意見を目にしたことがあり、そのときは「そうかもしれないな」と思いました。しかし、E-M1の電子ファインダーは「ひょっとするとひょっとするかもしれない」と思わせてくれるだけの完成度を誇っています。

あとの課題は電子ファインダーを使ったときのバッテリーの消耗の速さだけ。何度も言いますが、スポーツを撮らない記者にとって、これほど使い勝手の良いカメラはなかなかありません。