コメモ。

日記。メモ。備忘録。

記者が取材で使う「サブカメラ」の条件

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ウェブメディアでは、取材時に記者が撮影もこなすことが多いです。エントリーから中級の一眼レフを使う記者がほとんどですが、フルサイズを使う人もいるし、最近ではミラーレス一眼もよく見かけるようになりました。僕自身は取材の内容によってD800EとOM-D E-M1を使い分けているのが現状です。

そこでふと思い出したのが「サブカメラ」の存在です。

一般的には「あまり気合を入れないスナップ撮影などに持ち出す用のカメラ」くらいの意味かなぁと思うのですが、記者が取材で使うサブカメラは「メインカメラが故障した緊急時に使う予備カメラ」という立ち位置になります。

メインカメラは好きなものを使えばいいと思うのですが、それでは記者が持つべきサブカメラはどんなものが適しているでしょうか。サブカメラに求められる条件を考えました。

 

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条件1:コンパクトであること

まずはやはりこれ。少なくともメインカメラよりコンパクトであることは絶対条件です。というかメインより大きいサブとか意味がわからない。……もっとも、コンパクトといっても、どれくらいコンパクトかというのは人によります。たとえばメインカメラがEOS Kissなら、ミラーレス一眼やコンパクトデジカメが候補に入ってくるでしょうし、逆にフルサイズ機がメインなら、EOS Kissもサブになり得ます。人によって許容できる重さが違うので何とも言えないのですが、記者はカメラマンではないので、できるだけ身軽にしておくべきだと思います。

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条件2:メインカメラと出てくる写真の雰囲気が似ていること

取材時にメイン機が故障してサブカメラに切り替えた場合、それまでメイン機で撮っていた写真と、サブで撮った写真を合わせて納品することになります。このとき、メインとサブで写真の雰囲気が違いすぎるのはできれば避けたいところです。

RAW現像で追い込む場合は別として、写真の仕上がりにはメーカーによって個性があります。具体的にいうと、色味の出し方にはかなり各社のポリシーが反映されています。とはいえ赤が青に写るわけではないので、記者が撮る写真ではそこまで気にしなくてもいいかもしれませんが、可能であればメーカーをそろえた方がいいかもしれませんね。その方が操作も迷わないですし。

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条件3:広角から望遠までカバーできるカメラ(レンズ)であること

ロケハンできない取材仕事で記者が単焦点レンズを使うことは稀です。ほぼないと言ってもいいくらいです。しかも、思うように動けないことも多いので、広角から望遠まで1本でカバーする必要があります。そう考えると、かなり本体やレンズの選択は限られてくるのではないでしょうか。高倍率ズームレンズは画質がやや落ちますが、報道においてはどんなダメ画質だろうと撮れないよりは撮れる方がいいに決まっています。高画質な単焦点を付け替えてシャッターチャンスを逃すのは最悪です。よって、広角は35mm換算24mm〜28mm、望遠は最低100mm以上(できれば200〜300mm)欲しいところです。

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条件4:バッテリーの持ちは意外と重要

メインカメラなら予備のバッテリーも持参するのですが、緊急時にしか使わないサブカメラの予備バッテリーはできれば持って行きたくありません。しかし、いざそうなったらバッテリーの持続時間はやはり重要です。メインカメラが故障したからサブカメラに切り替えたのに、バッテリーがあっさり尽きて撮影できませんでしたでは、何のための予備カメラかということになります。

そこまで神経質になる必要はありませんが、選ぶ際に少しは気にしてもいいと思います。メインカメラとバッテリーを共用できるのが理想ですけどね。

じゃあ具体的には?

4つの条件を考えてみましたが、実は僕自身は今はサブカメラを使っていません。D800EとE-M1を同時に使うことはありますが、この場合は両方メインです。

ということで、今もしサブカメラを買うとしたら……次の機種のどれかかなぁと思っています。

オリンパスから昨年末に発売された高級コンデジ。大きさはちょっとしたミラーレス一眼くらいあるのですが、なんと35mm換算で28-300mm 通しF2.8という驚異的なレンズスペックを実現したスーパーカメラです。それでいてレンズが薄く、携帯性抜群。またバッテリーの持ちもそこそこ良いらしく、ファインダーの見え方も良好(確認済み)。画質はさすがに一眼レフやミラーレス一眼には劣りますが、ウェブなら十分すぎるクオリティ。雑誌でもA4に引き伸ばしていけるレベルです。ソニーのRX10も近いレンズスペックですが、さすがにあれはデカすぎます。

前にも紹介したけどやっぱり優秀。ニコンから発売中で、そろそろ次期モデルと入れ替わりそうなミラーレス一眼。それなりの画質と高い携帯性を両立していて、何より35mm換算で27-270mmの10倍ズームレンズがこの価格で手に入るのがすばらしいです。値下がり率を考えても買い時はまさに今しかないという感じ。うーん、迷う……。

3月28日に発売になるキヤノンの最新コンデジ。1.5型という大きなセンサーを搭載していながら、35mm換算で24-120 F2.0-3.9というおそろしいレンズスペックを実現したモンスターカメラ。8万円という価格の高さがネックだけど、正直これをメインカメラにしてもいいくらいの性能だと思います。

CP+で触ったレビューはこちら

2012年に発売されて今なお高い人気を誇るコンデジ。間違いなく歴史に残る名機でしょう。4万円を切ってかなりこなれてきたし、価格推移を見てもこれ以上はなかなか落ちそうにないし、今が買い時かも。35mm換算30-108mmという十分すぎるレンズ性能はもちろん、何より一眼レフやミラーレス一眼を圧倒するコンパクトさは捨てがたい。画質的にも十分仕事で使えます。前に親にプレゼントしたんだけど、自分が欲しくなってきた。

サブ機にそんなお金かけてられるかという場合はこれかな……。2万円以下で買える機種としては破格の性能。画質こそ厳しいものの、おそろしく軽いボディに20倍ズームという信じられないスペック、加えて一眼レフ並のバッテリーの持ち。ソニーはいったいどんな魔法を使ったんだ。とにかく撮れることが正義という取材仕事では実は一番便利なカメラかも。新機種がもうすぐ発売で値段も下がりきっているので、買うなら今だなー。 

 

以上、何かの参考になれば幸いです!