オリンパス 12-100mm F4 IS PRO レビュー - パーフェクトな性能! 取材用レンズとしての一つのゴール
各所で絶賛されているオリンパスのPROレンズ、12-100mm F4 IS PROを、OM-D E-M1 markIIと共に購入し、数ヶ月使用しました。
用途は主に取材仕事です。
すでに発表された当初にオリンパスプラザで触ってみて、「これはすごい」と思ったものですが、実際に使ってみると期待に違わずすさまじいレンズでした。
少なくとも取材用のレンズとしては一つのゴールですらあると感じています。
画質は低倍率高級ズームレンズ並み
撮り方が雑なのはさておき、テレ端、しかも開放から驚くべき解像感です。
これまで何本も高倍率ズームレンズを使ってきましたが、レベルが違う写りだと感じます。
等倍でもこれ。
ふつう、高倍率ズームレンズは画質に妥協して利便性をとるわけですが、こと12-100mm F4に関しては画質面での妥協がほとんどありません。
さすがに単焦点ほどの写りはないにしても、低倍率の高級ズームレンズを使っているような錯覚に陥ります。
必要なレンジをおさえた圧倒的な利便性
12-100mm というズームレンジは35mm換算で24-200mmとなります。
普通の高倍率ズームレンズはだいたい、28-300mmあたりのレンジが多いのですが、たいていの場合、取材では広角側は24mmが欲しくて、逆に望遠側は200mmあれば間に合います。
よって、12-100mm(35mm換算24-200mm)というレンジは無駄なく必要な焦点距離をおさえた絶妙な数字といえます。
これだけの幅があれば、1本であらゆる状況に対応できるため、レンズ交換する必要も2台持ちする必要もありません。
広角から、
望遠までどの焦点距離でも画質が破綻せず使えます。
通しF4は想像以上にメリットが大きい
本レンズはマイクロフォーサーズ規格の製品です。
E-M1 markIIはマイクロフォーサーズとしてはかなりの高感度画質を誇りますが、やはりフルサイズにくらべると劣ります。
そんな中、F4通しという開放F値のメリットはかなり大きいです。F4というと決して明るいレンズではありませんが、しかし高倍率ズームレンズとなると話は別。
というのも、ほとんどの高倍率ズームレンズのテレ端のF値は5.6だからです。
つまり、従来の高倍率ズームレンズにくらべて1段稼げるわけです。
高感度に余裕のないマイクロフォーサーズにはこれが重要。ISO6400だったところをISO3200で撮れる恩恵は大きいです。
また、ボケにくいマイクロフォーサーズでも100mm F4となるとそれなりにボケるのも嬉しいところ。
評判通りに強力な手ぶれ補正
手ぶれするほど暗い場所では三脚を使うのがセオリーですし、12-100mm は明るいレンズではないので、暗所での撮影は唯一のウィークポイントです。
ただし、レンズ単体ですさまじく強力な手ぶれ補正を備えているため、実際には想像以上にぶれを抑えることができます。
E-M1 markIIと合わせれば、シンクロ手ぶれ補正が発動し、その補正値は驚異の6.5段。
それは理論値だとしても、実際広角側なら1/5やそこらでは多少雑に撮ってもびくともしませんし、1秒手持ちなんかもいけます。
ただ、望遠側はやはりそれなりにシャッター速度を確保しないと厳しいですね。
【結論】高倍率ズームレンズの常識を破る高性能レンズ
これまでに使ってきたレンズの中でもトップクラスに満足度の高いレンズです。
取材用としてはこれ以上のレンズはないのではないかと思うほど(同じズームレンジで通し2.8が出たら……とは思うけど、さすがに画質がヤバイか)。
12-100mmのすごさをちょっとゲームに例えると、
レンズというのは、「画質」「携帯性」「機能性(手ぶれ補正とか、寄れるとか)」「ズームレンジ」の4つのパラメータで表せるんですね。
で、これらはステ振りみたいなもので、「画質」や「機能性」、「ズームレンジ」にポイントを振ると「携帯性」が落ちるし、逆に「携帯性」にポイントを振ると「画質」や「ズームレンジ」に振るポイントがなくなってしまうわけです。たとえば高倍率ズームレンズは「ズームレンジ」にがっつりポイントをステ振りし、「携帯性」と「機能性」はそこそこ、「画質」に振るポイントは残らなかった……みたいなイメージです。
- 通常の高倍率ズームレンズ
画質:★
携帯性:★★★
機能性:★★★
ズームレンジ:★★★★★
ところが、12-100mmは「ズームレンジ」と「機能性」にがっつりポイントを振って、「携帯性」にもそこそこ振ったのに、まだポイントが余っていて、それをぜんぶ「画質」にぶっこんだという感じのレンズなのです。
- 12-100mm F4
画質:★★★★
携帯性:★★
機能性:★★★★★
ズームレンジ:★★★★★
ステ振りがうまくいったということではなく、最初からポイントの合計値が他のレンズよりも多い……といえばすごさが伝わるでしょうか。
これから取材用のカメラやレンズの購入を検討するライターさんはラッキーです。なぜなら、もうレンズで迷う必要はないからです。
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