【2016夏】夏休みの旅行におすすめのデジカメを選びました
毎年似たような記事を書いていますが、今年も夏休みが近いということで旅行におすすめのデジカメを選んでみます。
デジカメ選びで毎回悩ましいのが、やはりスマホの存在。
多くの人は「旅行だから」という理由でデジカメを買おうとしますが、ぶっちゃけ最近のスマホは優秀なので、わざわざデジカメを持って行かなくても十分撮れてしまいます。
では、そんなスマホありきで考えたとき、旅行に持っていくデジカメはどうあるべきなのか。
その視点からいくつか選んでみました。
旅カメラの条件
旅行にふさわしいデジカメの絶対条件としてまず「コンパクトであること」が挙げられます。
僕は普段ニコンの一眼レフを使っていて、旅行に持って行ったこともあるのですが、とにかく重いしデカいし目立ちます。
撮影が目的の旅ならいくらでも持っていけばいいのですが、そうではない旅行ならもはや一眼レフは不要だと僕は思います。
またよく言われているように一眼レフのあの形は世界的に高級カメラとして定着しているので、ぶら下げて歩くのはちょっと不安もあります。かといって大きすぎるため鞄にも入れておけません。
旅行くらいの撮影だと一眼レフの優位性はほとんどないので、ここは素直にミラーレスかコンパクトデジカメがおすすめです。
ただし、ミラーレスでもレンズを欲張ると一眼レフ並みに肥大化して意味がありません。なるべくコンパクトなレンズを選ぶべきです。
その上で、3つの視点からデジカメを選びます。
「夜も良い画質で撮影したい」「もっと広く撮りたい」「ズームも使いたい」
3つの視点とは、
- 夜も良い画質で撮影したい
- もっと広く撮りたい
- ズームも使いたい
です。
この3つのうち、一つでも当てはまるならデジカメを持っていく意味はあります。これらはスマホが苦手とする撮影だからです。
逆にいうと、日中、風景を大きく入れた記念写真を撮るだけならデジカメは不要です。スマホは暗い場所での撮影が苦手ですが、これも「とりあえず写っていればいい」レベルなら撮れなくはないので、無理にデジカメを買う必要もありません。
しかし、夜でもしっかりと良い画質で思い出を残したいのであれば、ここは専用機の出番です。
「もっと広く撮りたい」というのは、スマホで撮れる範囲よりももっと広く写したいという場合です。特にヨーロッパなどでは巨大な建造物が多いので、近くまで寄ってしまうと建物全部を入れた写真が撮れません。スマホの撮れる範囲は決して狭いわけではないのですが、デジカメならもっと広い範囲を写せるカメラがあります。
最後に「ズーム」です。個人的には旅行には不要かなと思うのですが、目についた珍しいものを大きく写したいことはあるでしょう。そんなとき、いつでも近寄って写せるとは限りませんので、遠くのものを撮ることを考えて一応ズームができる安心感は大きいです。
これらをすべて満たすカメラはなかなかないのですが、1~2つを満たすものはいろいろあります。
Canon デジタルカメラ PowerShot G9 X(シルバー) 光学3.0倍ズーム 1.0型センサー PSG9X(SL)
- 出版社/メーカー: キヤノン
- 発売日: 2015/10/22
- メディア: Camera
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大前提として、「夜にスマホよりも圧倒的に綺麗な写真」を撮るためには1型以上のセンサーを搭載した機種である必要があります。
さらにコンパクトさを考慮するとまず候補に挙がるのが、キヤノンのG9 Xです。
広角はスマホと同じ28mmからなので「もっと広く撮りたい」は満たせませんが、3倍とはいえ一応ズームもできるので、「夜も良い画質で撮影したい」「ズームも使いたい」の2つを満たしています。
この2点を満たして最軽量コンパクトな機種がG9 Xです。スペックを考えるとずば抜けているので、画質、ズーム、サイズをどうしても両立したい方はこちら一択です。旅行につきものの自撮りできる可動液晶はありませんが(液晶は固定)Wi-Fiも搭載されていて写真をすぐにスマホに送信できますし、値段もそこそこ手頃です。
SONY デジタルカメラ Cyber-shot RX100 III 光学2.9倍 DSC-RX100M3
- 出版社/メーカー: ソニー
- メディア: Camera
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G9 Xの対抗馬はソニーのRX100M3。信頼と安定のRX100ブランドの3代目で、機能とサイズ比を考えるとほぼ究極の一台といっていいデジカメです。価格が7万円オーバーと高いのがネックですが、それさえ許容できるならこれで間違いありません。
まず24mmという広角から撮ることができ、さらに3倍と少なめですがズームレンズも搭載。
さらに1型センサーで画質も非常に良く、夜でもスマホとは比較にならない綺麗な写真が手軽に撮れます。
ようするに上記の3点をかなりのレベルですべて満たしている機種なのです。
おまけにWi-Fi完備、自撮りのための可動液晶完備、いざとなったら役立つポップアップ式ファインダー完備と、三ツ星レストランのごときパーフェクトなサービスっぷり。
もう一度いいますが、金があって他に特別なこだわりがなければこれが一番です。予算が不安ならG9 Xで。
……いきなり結論が出てしまいましたが、他にもいろいろ候補あるのでそちらも合わせてご紹介します。
もうちょっと自分に合わせて尖った機種を選ぶなら
上で挙げたG9 XとRX100M3で物足りないところがあるとすれば、それはズーム倍率です。3倍というズーム倍率はコンパクトさを考えれば仕方がないとはいえ、ちょっと物足りないかもしれません。
個人的にはあまりズームは必要としませんが、いろいろな人から話を聞くと、一般的に旅では10倍くらいのズームがあると十分なのだそう。
しかし、デジカメでは「ズーム倍率」と「コンパクトさ」と「画質」はすべて相反する要素でして、画質もズーム倍率も妥協しないとなるとサイズが一眼レフ並みに大きくなります。
そんな中、パナソニックから発売されたTX1はそれらを高レベルでまとめた非常に秀逸な機種となっています。
Panasonic コンパクトデジタルカメラ ルミックス TX1 光学10倍 ブラック DMC-TX1-K
- 出版社/メーカー: パナソニック
- 発売日: 2016/03/10
- メディア: Camera
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価格はRX100M3並みにお高いのですが、換算25mmから250mmの約10倍ズームを搭載しており、しかも上記のデジカメと同じ1型センサーなので暗い場所でもスマホより圧倒的に綺麗に撮れます(仕様上、暗所でズームすると多少ノイズが乗りますが)。
こうなるとサイズが心配になるところですが、ここもがんばっていて、RX100M3より一回り大きいだけにとどまっています。
箱型でレンズがそれほど飛び出していないため、ジーンズのポケットは厳しいですが、鞄にはすんなり収まるでしょう。10倍ズームに慣れると3倍ズームは明らかに物足りなくなるので、サイズを一回り許容できるならこちらもおすすめです。
ただし、自撮り用の可動液晶はついていません。Wi-Fiはあるのに……。
RICOH デジタルカメラ GRII APS-CサイズCMOSセンサー ローパスフィルタレス 175840
- 出版社/メーカー: リコー
- 発売日: 2015/07/17
- メディア: Camera
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3倍程度ならズームはいらん! 画質に全振りするんや! という人にはリコーのGR IIがおすすめ。
ズームは一切できないのですが、そのかわりiPhoneとほぼ同じ範囲を撮影できる換算28mmレンズを搭載しており、しかもセンサーは1型をさらに上回るAPS-C! これは一般的な一眼レフと同じセンサーです。
夜どころか昼間の撮影でもスマホとの差がわかるほど高画質。おまけにズームをあきらめたおかげでサイズも非常にコンパクトです。ただ、Wi-Fiはありますが自撮り用の可動液晶はありません。
価格はだいぶこなれてきていて、7万円代で買えるようです。
一点、注意したいのは、あまりにも暗い場所ではオートフォーカスが迷いがちになること。
その場合はスマホで被写体を一瞬照らして、そこにピントを合わせるなどの技を使いましょう。
Panasonic ミラーレス一眼カメラ DMC-GF7ダブルズームレンズキット 標準ズームレンズ/望遠ズームレンズ付属 シルバー DMC-GF7W-S
- 出版社/メーカー: パナソニック
- 発売日: 2015/02/13
- メディア: Camera
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コンデジではなくミラーレスですが、GF7もおすすめです。
実際に旅行で使ってみてその便利さに舌を巻きました。標準ズームレンズをつけた場合、レンズ部分が出っ張ってしまうのですが、全体としてはかなりコンパクトで鞄には楽に入ります。
画質は1型以上APS-C未満といったところ。標準ズームレンズなら3倍弱のズームもできますし、セットでコンパクトな望遠レンズもついてくるので、念のため鞄に放り込んでおくと安心感があります。また標準ズームレンズは換算24mmからなので、iPhoneよりも広い範囲を撮影できます。もちろんWi-Fiも搭載。「夜も良い画質で撮影したい」「もっと広く撮りたい」「ズームも使いたい」を高いレベルでほぼ満たしてくれます。
しかし、なんといってもGF7の優れたところは自撮り液晶の優秀さ。左右どちらのボタンでもシャッターが切れることや、顔認識の優秀さは他の追随を許しません。誰かに「写真お願いします」をやらなくても、自分たちだけで撮れるのは便利です。
お金に余裕があるなら後から超広角レンズを買い足せるのもミラーレスならでは。価格も5万円程度とかなり落ち着いていてお買い得です。ミラーレスでは個人的にいちおしです。
続いては「お金に余裕がありすぎて困っている」人向け。
- 出版社/メーカー: ソニー
- メディア: エレクトロニクス
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SONY 単焦点レンズ FE 28mm F2 Eマウント用 フルサイズ対応 SEL28F20
- 出版社/メーカー: ソニー
- メディア: エレクトロニクス
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ソニーのフルサイズミラーレスα7シリーズ。中でももっとも暗所性能に優れたα7Sに、iPhoneとほぼ同じ範囲を写せる単焦点レンズ28mm F2の組み合わせです。
合わせて、ざっくり25万円くらいします。
先ほどGRが「画質全振り」と言いましたが、このα7Sはそれをさらに圧倒する超高画質を誇ります。というか、一般向けに販売されているすべてのデジカメの中でもトップクラスです。特に暗い場所での画質がすさまじく、単焦点レンズの明るさも加わってまさに最強。おまけにGRが苦手な暗所オートフォーカスもバシバシ決まります。
たとえば夜のバーでほとんど明かりがない中、出てきた料理と目の前に座っている彼女を一緒に撮る……みたいな場合、このセットだと信じられないほど綺麗な写真が撮れます。
弱点としては液晶が自撮り向きではないことと(一応動くのですが)、それなりにカメラについて理解しておく必要があること、そしてそれほどコンパクトではないこと。とはいえ、比較的小さな28mm F2レンズをチョイスしたので、一眼レフと比べればはるかにコンパクトですが。
どんな場面でも簡単に究極の画質で思い出を残したいなら、この組み合わせでフィニッシュでしょう(後継機種は高すぎるので外しています)。
というか、僕がほしい。
……ところで、ここまで紹介してきたデジカメにはある弱点があります。
それは、何も考えずにオートでバシバシ撮っていると背景がボケてしまいがちなこと。
詳細な説明は割愛しますが、画質がいい=センサーが大きいということは、背景がボケやすいということでもあります。
背景がボケた写真は一見きれいに見えますが、逆にいうと「オート(カメラまかせ)」で撮るとボカしたくない場面でも勝手にボケてしまうということでもあります。
旅行のように人と背景を一緒に撮る場合、それでは困りますよね。これを防ぐにはF値という値を大きくして撮るか、被写体と背景を近づけて撮るなどの小技を使わないといけません。しかし、そういうのは面倒だから覚えたくないという場合は、「背景がボケてもいいときだけデジカメを使い、それ以外はスマホで撮る」などの使い分けが必要になってきます。
じゃあそれもう、ぜんぶスマホでよくない?
……という人のために、最後に変わり種のデジカメを紹介します。
PENTAX ミラーレス一眼 Q-S1 ズームレンズキット [標準ズーム 02 STANDARD ZOOM] ゴールド 06239
- 出版社/メーカー: リコー
- 発売日: 2014/08/28
- メディア: Camera
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PENTAX 広角ズームレンズ 08 WIDEZOOM Qマウント 22827
- 出版社/メーカー: リコー
- 発売日: 2013/12/06
- メディア: Camera
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ペンタックスのミラーレス一眼、Q-S1と、換算18mmから撮れる超広角ズームレンズです。Q-S1は標準ズームレンズつきで25,000円ほどと暴落しているのですが、超広角ズームレンズのほうは34,000円ほどとちょっとお高め。これでもかなり値段は落ちた方ですが……。
実はこのQ-S1、今まで上で紹介したデジカメとくらべてセンサーサイズが1/1.7型とかなり小さめです。iPhoneよりもちょっと大きいくらい。なので画質にはそこまで期待できないのですが(とはいえさすがにスマホよりは上です)、逆に「背景がボケにくい」というメリットがあります。これなら記念撮影でうっかり背景をボカしてしまうこともありません。これだけならiPhoneでいいじゃんという話なのですが、ポイントはレンズ交換ができること。
上記の超広角ズームレンズならものすごく広く風景を写せるので、ヨーロッパの教会の中などもすべて収めることができるのです。これはこれで、スマホには絶対に撮れない写真です。
Wi-Fiがない、液晶が動かないので自撮りに不向き、そもそも新機種がしばらく出ていなくて、今後シリーズが存続するのか不明といった不安要素もありますが、旅行用として完璧に割りきって買うのならいいかもしれません。
以上、旅行におすすめのデジカメのご紹介でした。
自分にぴったりのデジカメが見つかるといいですね。