EF-M22mm F2 STMレビュー:開放からシャープで歪曲が少ない優秀なレンズ
先日、ありえないほど安くなっているEOS M2 ダブルレンズキットを購入したわけですが、その付属レンズの一つである「EF-M22mm F2 STM」の描写をテストしてみました。
サイズはパンケーキレンズと呼ばれるだけあり、非常に薄くて軽量です。EOS M2につけるとほとんどコンデジサイズ。このサイズ感が気に入って購入しました。
ということで、まずは無限遠での描写をチェック。
ISOは100に固定。各項目は初期設定のまま絞り優先で撮影。
F2(開放)撮って出し
F2(開放)未補正
ご覧の通り、F2開放未補正では四隅の周辺光量落ちがかなり激しいことになっています。明るさにして-1.7EVくらい。広角のパンケーキレンズなのでこれは仕方のないところ。
F2.8 撮って出し
F2.8 未補正
ちょい絞ってF2.8とするとかなり周辺光量落ちが軽減されます。とはいえ、まだ少し落ちていますね。
F4.0 撮って出し
F4.0 未補正
F4.0だともう少しだけ改善。
F5.6 撮って出し
F5.6 未補正
F5.6以降はあまり変わりません。
以降、撮って出しは補正がかかって違いがわからないので省略。未補正のみ。
F8.0 未補正
F11 未補正
F16 未補正
F22 未補正
とまぁ、あまり変化はなし。
ということで周辺光量が気になるのであれば補正すればいいのですが、周辺光量補正はその分ノイズが出ますし、今度はノイズ低減処理でシャープさが失われることもあるので、いっそ未補正で使うのもありかもしれません。わざわざ四隅を暗くするフィルターなんかもスマホでは人気ですし。
続いては絞り値による解像感の変化を見ていきます。解像感というのは要するにくっくりはっきり写っているかってことです。
まずは各F値ごとに中央部分を切り出します。
中央部は開放からとてもシャープでF5.6あたりまでは絞ることで若干ですが解像力が増していきます。とはいえここまで拡大して何とかわかるレベルの違いなので、解像力の点では絞り開放からまったく問題なく使える優秀なレンズといえます。
また、未補正の方では屋根にモアレが確認できますが、これも撮って出しではきっちり補正されています。
F11あたりから回折現象によりやや解像感は落ちてきますが、F16くらいまではあまり気にせず使えるかと。F22はさすがにけっこうゆるいですが、それでも立派な画質です。
続いて四隅の画質を見ていきます。
絞り開放では若干ゆるい描写ですが、F2.8でシャキッとします。F4.0以降は絞ってもあまり変わらないように見えます。F11くらいから回折の影響が出てきて、F22はぼんやりしていますが、これだけ拡大してやっと見える程度の粗なので問題ないでしょう。色収差が出ていますが、これはEOS M2の補正をオンにすれば多少軽減できそうです(デフォルトではオフ)。
この後、一応、近くの物も撮影してみたのですが、
F2(開放)撮って出し
F2(開放)未補正
遠景と傾向は一緒でした。中心は開放からシャープで、F4.0~F8.0がスイートスポット。四隅は開放では少しゆるく、光量はがっつり落ちますが、絞ることで若干の改善を見せます。
続いて歪曲ですが、このレンズは歪みについては驚くほど良好です。
どちらもF2.0の開放で、上が撮って出し、下が未補正。周辺光量は相変わらずすごいことになっていますが、歪曲はほとんどありません。
撮って出しの写真を見たときは内部でよほど強い補正をかけているのかと思いましたが、未補正のRAWでも歪曲はほぼゼロといっていいレベルです。これだけ広角でこの歪みのなさはすごい。
なお、F値を変えながらの撮影も行いましたが、開放でこれだけ優秀ということからもわかるように、まったくといっていいほど変化はありません(シャープネスと周辺減光は例によって絞ると改善します)。よって他のF値は割愛します。
「EF-M22mm F2 STM」はこのサイズと価格を考えると、驚くほど優秀なレンズで、開放から安心して使えます。周辺減光は大きめですが、本体で補正されるのでそれほど問題にはならないでしょう。たとえば暗所でISO感度をグッと上げて、端の方に人の顔を入れて開放で撮る、みたいなことをするとひょっとすると補正によるノイズが気になるかもしれませんが、そもそも高感度もけっこう強いですし、そんなに気になることはないと思います。
EOS Mユーザーならむしろ標準ズームレンズよりもマストといっていいレンズなのではないでしょうか。
Canon 単焦点広角レンズ EF-M22mm F2 STM ミラーレス一眼対応
- 出版社/メーカー: キヤノン
- 発売日: 2012/09/29
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