コメモ。

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5万円台で買えるコンデジ比較:RX100/G7X/XQ2

Canon デジタルカメラ PowerShot G7 X 光学4.2倍ズーム 1.0型センサー PSG7X

先日、「ヘタなコンデジを買うくらいならミラーレス+パンケーキにいった方が画質の向上がわかりやすくて満足感は高いのでは」という記事を書きましたが、旅行となるとまたちょっと話は別。

旅行の場合はよほどこだわりがあるか、熟練している場合を除いてズームはあった方がいいと思います。やはり単焦点で撮れる写真は限られます。

そろそろシルバーウィークも見えてきた頃ですし、5万円台までで買える人気のコンパクトデジカメ3機種を比較してみます。

比較するのは、ソニーのRX100、キヤノンのG7X、富士フイルムのXQ2です。

まずは発売日や価格などをチェック。

RX100 G7X XQ2
発売日 2012年 6月15日 2014年10月 3日 2015年 2月26日
定価 70,000円前後 66,800円 44,500円
実勢価格 40,000円前後 58,000円前後 32,000円前後

発売日はRX100が3年前と古く、その分、価格もかなり安くなっています。逆に価格は落ち着いており、ここから大幅に下がることはおそらくありません。

G7Xはそもそもまだあまり安くなっていませんが、キヤノン機の傾向と今日までの価格変動を見るに、今後大幅に安くなることは考えにくいです。XQ2は後継モデルが発表されれば2万円台にはなるかと思いますが、発売日が新しいのでまだしばらくはかかるでしょう。

ということで、3機種とも今買っても損はしないかと思います。

続いて外観。

RX100 G7X XQ2
重量 240g 304g 206g
外形寸法 101.6 x 58.1 x 35.9mm 103×60.4×40.4mm 100×58.5×33.3mm

G7Xが一番大きく、XQ2がもっともコンパクト。RX100がその中間です。どれもポケットサイズなのであまり気にしなくても良さそうですが、重量はXQ2とG7Xで100g変わります。これは感覚としてけっこう違います。いわゆるコンパクトデジカメのイメージから一般的に想像するのはおそらくXQ2のサイズと重さで、G7Xは「でかっ重っ」と思う人が多そうです。

続いて撮れる写真に関するスペック。

RX100 G7X XQ2
画素数 2020万画素 2020万画素 1200万画素
センサー 1型 1型 2/3型
アスペクト比 3:2 3:2 4:3
焦点距離(35mm換算) 28-100mm F1.8-4.9(3.6倍) 24-100mm F1.8-2.8(4.2倍) 25-100mm F1.8-4.9(4倍)
シャッタースピード 1~1/2000 秒 1~1/2000 秒 1/4~1/3000 秒
ISO感度 ISO125~6400 ISO125~12800 ISO100~12800
連写 10枚/秒 6.5枚/秒 12枚/秒
動画 1920x1080(フルHD)60 fps 1920x1080(フルHD)60 fps 1920x1080(フルHD)60 fps
最短撮影距離 5cm(標準) 5cm(標準)5cm(マクロ) 50cm(標準)3cm(マクロ)
撮影枚数 約330枚 約210枚 約240枚

RX100とG7Xのセンサーはどちらもソニー製と言われており、画質面では高感度などにわずかな違いがあるものの、ほぼ同等と言われています。海外のセンサー画質測定サイトDxOmarkでのスコアはRX100が66に対してG7Xが71と互角。対してXQ2は2/3型センサーと小さめのセンサーであり、DxOmarkでは未測定ながら、おそらくX10やXF1と同じセンサーと見られますので、スコアは50がやっとでしょう。画素数もRX100とG7Xは2020万画素と多く、精細感も上です。ただし、スマホの画面の大きさで見る分には、「ボケ」がなければ区別はつかないでしょう。

その「ボケ」ですが、センサーが大きいということは背景をボカしたいときも有利。XQ2ではうまく被写体と背景の距離をとらないとボケてくれないのに対し、RX100とG7Xは比較的ボケも大きめです。APS-Cの一眼レフやマイクロフォーサーズレベルとはいきませんが、気軽にボケのある写真を楽しめます。

逆にいうと、ピンぼけにもなりやすいということなので、ボケてしまうよりも全体にピントがくっきりとあった写真を撮りたいという場合は、あえてXQ2を選ぶのもありかと思います。

また、センサーが小さい方が接写性能も有利で、XQ2は撮影最短距離が3cmと、若干他機種を上回っています。

もう一つ、大きな違いはズーム倍率とF値の違い。望遠側はいずれも35mm換算で100mm程度なのに対し、広角側はG7XとXQ2が広めでRX100は28mmと少し狭い。24mmと28mm、この4mmの違いは結構大きいです。

さらに、RX100とXQ2は望遠側がF4.9と暗いのに対して、G7Xは望遠側でもF2.8と明るく、ズームしてもISO感度をあまり上げずに写真を撮ることができます。言い換えると、暗い場所でズームしても画質が落ちにくいのはG7Xということです。

先に書いた通り、広角側ではRX100とG7Xはほぼ同等ですが、ズームするとG7X>RX100となります。もっとも、G7Xは広角をがんばった分、周辺部の描写が甘いという話がユーザーから出ています。スマホの画面ではわからないレベルでしょうけど、拡大すると気になる人はいるかもしれません。

ISO感度の上限値はRX100だけが6400で他2つは12800ですが、だからといってXQ2の方がRX100よりも高感度が強いわけではありません。暗いところでノイズがのらず綺麗に撮れる性能に関しては、G7X>RX100>XQ2でしょう。特にRX100とXQ2の差は結構あります。

もう一つ、RX100とG7Xはアスペクト比が3:2なのに対して、XQ2は4:3であることもポイントです。4:3はiPhoneと同じ縦横比で、縦に長く撮れる分、横は狭くなります。RX100とG7Xは、XQ2と同じ焦点距離でも、横が少し広めに写ります(代わりに縦が狭くなります)。縦横比は好みですが、使っていると地味に気になるポイントです。

あと、動画は3機種ともフルHD、60pで撮影できるので十分綺麗です。フル充電からの撮影枚数に関しては、G7Xがやや少なめ。

続いて操作性などについて比較します。

RX100 G7X XQ2
Wi-Fi なし あり あり
液晶画面 固定 上チルト 固定
起動時間 2.1秒 1.3秒 0.99秒
AF速度 0.13秒 0.14秒 0.06秒
USB充電 あり なし あり
タッチパネル なし あり あり

RX100は3年前の機種ということで、機能面に関してはさすがに古さが目立ちます。Wi-Fiもなければタッチパネルもなし(これは新型にもついていませんが)。対してG7XはRX100の対抗機として作られているだけあり、全部盛りです。ただし、USB充電ができるのは強みです。

RX100最大の弱点は全体的な操作のもっさり感。起動時間も2.1秒とXQ2に比べると明らかに遅いです。きびきび動くのはXQ2で、機能面も申し分ありません。オートフォーカスも高速です。

まとめ

RX100はさすがに3年たっても売れているだけあり、すばらしいコスパを誇る名機です。今買っても十分使えます。

一方で、広角側が狭かったり、望遠側で暗くなったり、液晶画面が固定だったり、Wi-Fiがなかったりと、古さを感じる部分も多くなってきました。画質だけを考えれば今でも十分通用しますが、機能面ではやや物足りないところがあります。個人的にWi-Fiがないのはちょっと辛いです。

そんなRX100の弱点をほぼすべてカバーしてきたのがG7Xとなります。若干大きく重くなりましたが、ギリギリポケットサイズに収まる大きさで、上記の弱点をすべて潰してきたのはお見事。ギリギリ5万円台という価格も納得できる範囲です。

個人的には、RX100に4万円出すなら、何とかあと2万がんばってG7Xにした方が幸せになれるのでは……と思います。やはり価格分の差はあります。

逆に機能面は最新のものが欲しいけれど、画質に関しては多少妥協できるならXQ2が有力な候補となります。画質が劣るといっても、「ボケ」の大きさ以外はスマホの画面ではわからないレベルの違いですし、なんといっても価格が3万円程度と安い。上記では書きませんでしたが、富士フイルムのフイルムの色を再現した「フィルムシミュレーション」も楽しい機能です。

ということで、個人的な結論としては、

5万円台後半が出せるならG7X。

それが無理ならXQ2。

がオススメです。

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