コメモ。

日記。メモ。備忘録。

いい写真とは何か。世界報道写真展を見て思ったこと

世界報道写真展2015を見てきました。

今年は池袋の東京芸術劇場で開催。

www.asahi.com

簡単に説明しておくと、「世界報道写真展」とは、主に前年に撮影された報道写真を対象に行われるコンテストで、今回が58回目となります。

コンテストは、「一般ニュース」「スポットニュース」「スポーツ」「現代社会の問題」「日常生活」「ポートレート」「自然」「長期取材」8の部門があり、それぞれ単写真の部と組写真の部に分かれています。今年は41名の写真家が入賞を果たしました。

以下、写真展を見て「いい写真」について思ったこと。

一番見せたい被写体に視線が誘導される。

写真にもよるのですが、広角〜標準で広く状況を切り取っていても、写真家が一番見せたいであろう被写体に自然に視線が誘導されるようになっているんですよね。光のあたり方やボケなどが計算されていて、さすがだなぁと思いました。

ピントは多少甘くてもいい。撮るべき瞬間が撮れているか

きっちり準備して撮れる写真でピントを外しているのはダメだと思うのですが、とっさにシャッターを押して運良く撮れた1枚、みたいな写真だと、プリントサイズによってはピントが甘い写真もいくつかありました。微妙にブレている写真もけっこう多かったです。でも、そんなことはどうでもいいですね。自分もたまに「ピントが若干甘いけどいい瞬間が撮れた写真」と「バチピンなんだけど一瞬遅い(早い)写真」でどっちを使うか迷うことがあるんですが、前者を選ぼうと思います。

日の丸構図が悪いなんてことはない

日の丸構図はよくディスられるのですが、報道写真だとむしろ多用されている構図なんですよね。真ん中にメインの被写体をドーンていう。日の丸構図になる理由は様々あると思いますが、やっぱり真ん中にメインの被写体を持って行くと、圧倒的に「言いたいこと」が伝わりやすいのかなと。あとは、マニアックな話ですが、AF点を中央一点にして撮っていると、とっさに撮ったとき日の丸構図になりやすいというのもあるのかな。静止物を撮るならともかく、一瞬の出来事を撮るのにいちいちAF点を動かして〜とか、フォーカスロックしてカメラずらして〜とかできないもんね。

個人的に「すげえ!」って思った写真

よくこの瞬間、この表情を撮れたな〜と感心しました。

組写真なんだけど、観客の隙間からテニスプレーヤーが見えている写真ね。いやーこれ、待ってたんだろうな、この構図になる瞬間。忍耐力も含めてすごい。

これも組写真。最初の衣服を並べた写真が強烈で、何度も見てしまいました。組写真だからってわけじゃなく、単体で十分なメッセージ性があると思う。

アフリカのエリトリアで行われた結婚式。これも、よくこの瞬間を撮れたなと感心した一枚。