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コメモ。

日記。メモ。備忘録。

和歌山県「田辺市」とスペインには意外な共通点があった! いよいよ動き出した「価値創造プロジェクト」とは?

レポート

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皆さん、「熊野古道」って知っていますか?

紀伊半島の熊野三山(熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社)へと通じる参詣道のことで、世界遺産にも登録されています。僕も名前は知っていたのですが、行ったことはなく、知識も曖昧でした。

今回、この熊野古道を有する地域の一つである和歌山県「田辺市」が、地元の魅力をPRするための「価値創造プロジェクト」記者発表会を都内で開催しました。

ご縁があり取材する機会を得たので、レポートしていきたいと思います。

 

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こちらが「田辺市」の新しいロゴです。

田辺市は和歌山県の中南部に位置する市で、2005年に田辺市(旧制)、龍神村、中辺路町、大塔村、本宮町が合併し誕生しました。現在、近畿最大の面積を誇る市であり、その広さは東京23区の倍近くにもなります。

今回の記者発表会は、この田辺市が地元の魅力を伝えるために開かれたもの。MCは地元出身の俳優・コニタンこと小西博之さんが務めました。

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また、田辺市の真砂市長も登場。

f:id:cafewriter:20140419122935j:plain驚いたのは、この2人のトークがものすごくこなれていること。まったく噛まないし、息もぴったりだし、ツッコミの間もプロの芸人レベル。まるで漫才か落語を聞いているかのようでした。百歩譲って小西さんは芸能人だからまだわかるとして、真砂市長のトークスキルはどういうことなの。

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それはともかく、今回の主役は田辺市です。冒頭に書いた通り、田辺市には世界遺産にも登録されている「熊野古道」が通っています。

熊野には「熊野三山」と呼ばれる三つの大社があり、古代から中世にかけて、多くの人々が参詣しました。このとき参詣者が歩いた道が「熊野古道」です。

熊野古道にはいくつかのルートがあり、和歌山以外にも、大阪や奈良、三重と広範囲にまたがっています。その中でも多くの人が歩いたルートは、京都から大阪・和歌山を経て田辺市に至る「紀伊路」と、田辺から山中に分け入り、熊野本宮に向かう「中辺路」と呼ばれる約300kmもの道のり。当時、舗装に用いられた石畳が美しい自然と共にそのまま残っています。

そんな熊野古道が世界遺産に登録されたのは2004年のこと。実は、こうした「道」が世界遺産になることは、世界的にも極めて珍しい例なのだと真砂市長は言います。

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熊野古道以外で唯一、世界遺産に登録されている「道」は、スペインの「サンティアゴ巡礼道」。カトリックの三大聖地の一つであるサンティアゴ・デ・コンポステーラ市の大聖堂へと続く、約800kmの巡礼道です。

「熊野古道とサンティアゴ巡礼道は、どちらも世界遺産に登録された道であり、共通点が多い」(真砂市長)

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……という縁もあり、二つの市は「共同プロモーションに関する協定」を2008年に締結。さらに今年7月には、双方の市長同士による観光交流協定も締結される予定だということです。

とはいえ、世界遺産登録に関してはサンティアゴ巡礼道の方が10年以上先輩。それもあり、「学ぶべきところはたくさんある」(真砂市長)といいます。

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ここで、ゲストの荒俣宏さんが登壇。荒俣さんは過去にサンディアゴ巡礼道を歩いた経験があり、その際に「巡礼者に対する手厚い歓迎に感動した」と話しました。

「熊野古道でも、サンティアゴ巡礼道のいいところを取り入れていくべき」(荒俣さん)

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ゲスト2人目はスペイン大使館のサンティアゴ・エレロ・アミーゴ参事官。偶然にも名前に「サンティアゴ」が入っていることに「不思議な縁を感じる」というサンティアゴさんですが、どうなんでしょう。スペインではメジャーな名前だったりするのかな。

サンティアゴさんの挨拶の後、MCの小西さんが「田辺の方言は巻き舌が多くて、スペイン語に発音が似ている。僕は海外に行くと(見た目が)日本人だと思われないのだけど、もしかしたらスペイン人がご先祖様にいたのかも!?」と暴走気味に話し始めて、会場を笑わせていました。

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田辺市のPRに協力するのは、スペインだけではありません。VOGUEやMen's Uno等のファッション誌を中心に活躍し、香港や台湾、中国ではもっとも売れている写真家として名を馳せるフォトグラファー、Jimmy Ming Shumさんも「価値創造プロジェクト」に参加。外国人写真家のフラットな視点から田辺市を切り取り、写真でその魅力を写し出します。ちなみに「日本が大好きで、妻も日本人」(Jimmyさん)らしいです。

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この日は隣の会場でJimmyさんの写真展も開催されたのですが、「なるほど、日本の町をこう撮るのか」と勉強になりました。あえて額縁などを使わず、写真の上だけを止める展示のやり方も本人のこだわりだとか。写真の世界は奥が深いです。

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記者発表会の後は、田辺市の特産品を試食する機会をいただきました。地域の食べ物というのは、どうしてこうおいしいのでしょうか。

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和歌山県といえばみかんが有名ですが、もうひとつが梅。紀州の梅といえば、もはや言うまでもないですよね。このくらいの大きさになると、「一つの木から少ししか取れない。大粒は木の上の方にできるので、収穫も一苦労」(小西さん)なのだとか。ちなみに小西さんの実家は梅農家だそうです。

僕も試食させてもらいましたが、深みのある酸っぱさが何ともいえずクセになる味わいでした。一言でいうと「高級な味」です(深刻なボキャブラリー不足)。

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数えきれないほど種類があるという梅酒。田辺市には「乾杯は必ず梅酒で」という条例(!)まであるそうです。

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梅はクエン酸が豊富なので、アスリートの疲労回復にもぴったり。この他、いろいろな食べ方が提案されていました。

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見た目は普通の鯖寿司ですが、梅酢が使われているなど、梅の産地ならではの工夫が凝らされています。

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これはちょっと珍しい。ワカメに似た「ひろめ」という海藻。田辺市ではメジャーな食べ物らしいのですが、保存がきかないので他の地域に出荷されていないのだとか。つまり、地元でしか食べられないのです。食べ方はいろいろありますが、ここではしゃぶしゃぶを体験。お湯にひたすと色がサッと緑に変わるのも面白いです。

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最後は和歌山といえばの柑橘類。こうしてみると、たくさんの特産品があるんですね。

今後は「全国から"選択"される田辺市を目指し、新たな挑戦に踏み出します」という田辺市。まずは市そのもののブランド化を目指し、官民一体となって全国に魅力をPRしていくのだとか。なんと、そのために田辺市は市役所内に「たなべ営業室」という部署まで作ったそうですよ。

「公の組織で営業の部署があるのは珍しい」(真砂市長)

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また、4/4~4/23まで、渋谷ヒカリエ8Fのd47食堂では「和歌山 田辺定食」を食べることができるとのこと。気になる方は足を運んでみてはいかがでしょうか。

世界遺産「熊野古道」を有する町、田辺市。まだ行ったことがないのですが、気になってきました。